「最近、会社にいると、とてもいらいらするんです」
来院されたのは、
黒のスーツがよく似合う、37歳の女性です。
特にいらいらしてしまうのが、
チームで一番若い、男性の部下です。
以前から、ケアレスミスが多く、
たびたび注意してきたといいます。
しかし、彼は、発想がユニークで、
時々、他にはないアイデアを持ってきます。
性格も穏やかで、人柄もいいので、
彼女は、彼のことをかっていました。
ところが、最近、彼のミスが発端となって、
取引先を怒らせるようなことが続けて起こり、
彼女は彼とともに、その処理に奔走することになります。
そのうち、彼のちょっとしたミスに、
いらいらするようになりました。
ときには、怒りが爆発しそうになることさえあります。
このような時は、
バッチフラワーレメディのインパチエンスですね。
怒りを感じているのであれば、ホリーも必要かもしれません。
これらのレメディを使うようになって、
いらいらすることは、なくなりました。
気持ちが落ち着くにつれ、
彼女はあることを思い出しました。
彼がチームに加わったとき、
一番若い彼のことを気にかけ、
彼女が、なにかと面倒を見てあげていました。
ケアレスミスが多いことに気づき、
訂正するよう促していたのは、彼女です。
彼のアイデアも、積極的に取り上げました。
彼女は、自分が彼の一番の理解者であり、
自分がいなくてはだめなのだと、思い込んでいました。
そんななか、チームに女性スタッフが加わります。
彼が、女性スタッフと相談しあったり、
助け合ったりする姿を、よく見かけるようになりました。
その姿を頼もしいと感じながら、
なぜか、とてもいらいらするようになったのです。
彼が、自分から離れてしまったように感じ、
いらいらするようになったのかもしれない…。
「ずっと、私が、こんなに目をかけてあげたのに…」
彼女は、自分の中に、
見返りを求める自分がいることを知り、
愕然としたといいます。
そこで、今度は、バッチフラワーレメディのチコリーを処方しました。
チコリーを必要な人は、
相手との絆を、強く求めるあまり、
いろいろと意見したり、世話を焼いたりします。
その心の中には、
「わたしがあなたにしてあげたように、わたしにもしてほしい」
という気持ちが、ひそかに隠れているのです。
チコリーを処方して3週間後です。
「部下には、もう、あれこれ言うのをやめました。
何も言わなくなったら、ミスも減ってきたように思います(笑)。
私も、なんだか、気が楽になって…、
気負わないでやっていこう、って思っています」
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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