32歳の会社員の女性が、頭痛と、吐き気、めまいで来院されました。
20代のころから、頭痛に悩まされるようになり、
いろいろな病院を受診したのですが、効果はいまひとつだと感じています。
また、頭痛とともに吐き気があり、
気持ちが悪いと食べられなくて、食事を抜いてしまうこともあるのだそうです。
昨日の食事内容をお聞きしますと、
朝はヨーグルト。
昼はコンビニのサラダ。
夜は豆腐と、もやしのあえもの、お味噌汁とごはんを少し。
それだけ?とおもわず、聞き返したくなりました。
血液検査の結果をみせていただくと、
タンパク質が不足していて、
ビタミンB、亜鉛、鉄が足りていないことがわかりました。
お肉やお魚、卵などのタンパク質を、できるだけ取るように心がけていただき、
ビタミンB、亜鉛、鉄のサプリメントもとっていただくようにお話ししました。
3か月後、来院されました。
にこにこしながら、
「食事がおいしいってことがわかってきました」
と言われます。
「今まで、食事っておいしいと思ったことがなくて、
いつも仕方なく食べていたんですけど、
だんだん、食事っておいしいなってわかってきて…、
あれが食べたいって思うようになったことがうれしいです」
と言われます。
ビタミン、ミネラルが補われたことで、味覚が復活したのかもしれません。
これで、食事量がもっと増えるといいと思います。
食事をとれるようになって、
頭痛とめまいの回数も減ったように思うとのこと。
「食事って大切なんですね」
としみじみ言われます。
食事は、ただ栄養を取るだけではありません。
毎日三食、規則正しく食事をすることで、
からだのリズムが整うことが知られています。
また、家族や友達と、食事を共にすることは、
コミュニケーションの場でもあります。
今までは、体調も悪く、食欲もないので、
誰かと食事をする機会はあまりなかったようです。
これからは、食事を通して、交流の機会が増え、
社会が広がるといいですね。
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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