43歳、主婦の方です。
優しい笑顔であいさつされた後、
「何と言ったらいいのか…」と、
言葉を探すかのように、少し時間をおいて語り始めました。
「どうして、わたしのまわりに、こんなことが次々起こるんでしょうか?」
何があったのでしょう?
「少し前に、友人を亡くしました。
うつで自殺…だったんです」
「とてもいい人でした。
うつで通院しているのは知っていたんです。
でも、そこまで…思い詰めていたとは…。
全く知りませんでした。
気づいてあげられなくて、ごめんね…、
どうして気づいてあげられなかったんだろう…、とか
後悔することばかりで…。
何と言ったらいいのか…、
喪失感でいっぱいな感じです」
「それだけじゃないんです。
この数年の間、会社の同僚を亡くして…、
習い事の先生も亡くなって…、
どうして、私の周りでこんなことが次々起こるんだろう?
って思うんですよね」
私は、息をのんで、じっと話を聞いています。
深刻な話だけれど、
彼女が、変わらない、柔らかな表情で、淡々と話されるので、
私も、ひとつひとつの話を受け止めながら、聞いています。
この後、さらに、私には想像もできない、大変な経験を話してくださいました。
次回に続きます。
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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