友人を自死で亡くされた方のお話を聞いています。
「実は、10年以上前のことなんですけど、
母も自殺で…、亡くしているんです」
「父が闘病中のことでした。
看病しているうちに、うつになってしまって…」
「その時は、本当に、
頼っていた存在が、無くなってしまった、
どうしよう…、
どうしたらいいんだろうか?
足元から、土台が崩れ落ちてしまったみたいな、
土台がもって行かれてしまったみたいな感覚でした」
「結局、しばらくして父も亡くなりました。
父には、言えなかったです。
母が亡くなったこと、言えませんでした」
「父には、家の中のことは大丈夫だよ、
何も心配ないからねって言わないといけなかった。
父は私に、わかった、お前に任せるって言われて…、
いっそう頑張らないといけないって思いました」
「母を救ってあげられなくて、
父も亡くなってしまって、
それからしばらくは、どうやって生きていたのかわかりません。
引きこもりみたいになっていました。
そんなときに、主人と結婚したんです。
主人に救ってもらいました」
「ちょうどそのころ、私自身もがんとわかって、手術したんです。
それは、今まで再発なしで、順調にいっています。
主治医の先生からも、もう大丈夫だろうって言ってもらっています」
大変でしたね。
「そうなんですよ」
と、笑いながら答えられます。
「次は、何が起こるんだろう?
何が起こるかわからないっていう不安感が、いつもあるんです。
特に、物事が順調になると、怖いです。
このままでは終わらない、きっと何か起こるって、不安になります」
言葉をかけることがためらわれるほど、
つらい経験を話してくださいました。
けれども、話はこれで終わりではないのです。
次回に続きます。
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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