奈保子さんは、IT企業にお勤めの23歳の女性です。
就職して一か月もたたないうちに、この会社で勤務を続けるのは無理だと思うようになりました。
業務内容が難しくて、理解できないのです。
毎日、必死で本を読み、調べながら仕事しているのですが、
肝心なことは書かれていなくて、結局、何もわからないまま、時間だけが過ぎていきます。
先輩に質問したくても、何をどう尋ねたらいいのかもわかりません。
なんとか質問事項をまとめて聞きに行っても、
先輩が何を話しているのか全く理解できません。
せっかく先輩が時間を取って教えてくれているのに、
全く理解できない自分が情けなくて、さらに悲しくなってしまうのです。
先輩たちは、
「最初は難しくてわからないと思うけど、焦らなくていいから」
と言ってくれます。
でも、そう言われれば、言われるほど、本当に自分はだめだと思ってしまいます。
会社の人たちは、みんなほんとうにいい方ばかりなんです。
なにもできない自分のことを責めたりする人はひとりもいません。
こんないい会社を辞めたいと思う自分は、本当にだめだって思うんです。
最近は、何か仕事をしようとすると、心臓がどきどきするようになりました。
時には、吐き気がしたり、急に胃が痛くなったりします。
突然、涙があふれてきて、トイレに駆け込んで泣き続けてしまったこともあります。
就職活動中は、何十社も受けて、やっとつかんだ職なんです。
「そんなに簡単に辞めてしまっていいのか」という気持ちもあります。
どんなに辛くても、せめて一年は頑張ろうと心に決めたのに…、
最近は気持ちさえついて行かなくなりました。
朝、起きられなくなってしまったんです。
なんとか家を出ても、電車の中で気分が悪くなったりします。
会社の最寄り駅に着いたら、急に涙が止まらなくなってしまったこともありました。
会社に行くのがほんとうにつらくてつらくてたまりません。
あふれる涙を押さえながら、話してくださいました。
毎日がとてもつらくて、どうしたらいいのかわからないとおっしゃいます。
バッチフラワーを希望されましたので、まず、ゲンチアナをお出ししました。
ゲンチアナは、
物事がうまくいかなかったり、困難に直面して、
自分に対する自信や信頼を失い、落ち込んでしまう人のためのレメディです。
ゲンチアナを飲んで自信を取り戻すことで、
自力で問題を解決できると確信することができるでしょう。
また、不安でいっぱいなところには、ミムラスが必要です。
毎朝、会社に行くとき、気分が悪くなってしまうほど不安になる。
仕事をしようとすると、不安でどきどきする。
帰宅後も、会社のことを考えると、不安でいっぱいになる。
このようなたくさんの不安な気持ちに対応します。
ミムラスは、「こんなことが心配」、「このようなことで不安になる」
といった、原因のはっきりした不安に働きかけます。
仕事を終えて帰宅してからも、仕事のことをずっと考えてしまうところには
ホワイトチェストナットが必要です。
ずっと考えることで、よい解決法が見つかればよいのですが、
解決法はおろか、不安や心配事が次から次へと湧き起こり、
頭の中で堂々巡りをしてしまっています。
その結果、気持ちを切り替えることもできず、追い詰められてしまいました。
ホワイトチェストナットは、頭の中の堂々巡りを止め、心の乱れを整えます。
重要なことと、そうでないことを分け、自身の考えを整理できるようになると、
建設的な解決策を見つけられるようになります。
3週間後、
表情がとてもやわらかく明るくなり、初診時とはまるで別人のようです。
バッチフラワーを飲んで気持ちがとても楽になったと言われます。
初診の翌週、思い切って、上司に相談したそうです。
しばらくお休みさせてもらい、ゆっくり考えた結果、
会社を辞めて新たな仕事を探すことに決めました。
もうすでに、ハローワークにも足を運んでいるとのこと。
思いは未来に向かっていました。
次回に続きます。
※本記事「会社を辞めたい」と、次回に続く「転職しても」、「絵がうまくなりたい」に加筆修正を加えて「会社に行きたくない」にまとめました。
そちらの記事も参考になさってください。
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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