前回、発達障害の方に栄養療法を行った話を紹介しました。
彼女には、食事療法と栄養療法以外にも、取り入れていただいた治療法があります。
今回は、その他の治療法についてお話しします。
後半では、私が重要視している、自己肯定感についても説明しています。
腸内環境を整える
食事療法や栄養療法を始める前に、腸内環境を整えることは最重要課題です。
腸内環境が整っていなければ、どんなによいものをとっても吸収は不十分となり、まったく意味がありません。
薬でも、漢方薬でも、サプリメントでも、もちろんお食事でも、腸で栄養や成分を吸収できなければ、効果が出るはずはないのです。
腸内環境を整える方法の一つとして、乳酸菌生成エキスのアルベックスがあげられます。
アルベックスとは
アルベックスは、あなたの腸内に住む乳酸菌のえさとなり、あなたの乳酸菌を増やします。
乳酸菌をとるのではなく、乳酸菌のえさになるものをとるのです。
どれだけ優秀な乳酸菌をとっても、あなたの腸内で増えるかどうかは疑問です。
けれども、あなたの腸内にすむ乳酸菌の好物をあげれば、あなたの乳酸菌は腸の中で元気に増えていきます。
腸内環境が整うと美肌になる
アルベックスの説明に感心され、すぐに始められました。
そして3か月後には
「アルベックスをとってから、肌の調子がよくなった」といわれました。
調子悪かったときは、肌ががさがさして、とても気持ちがふさいでいたといわれます。
腸と皮膚は強い相関があり、腸内環境が整うと、皮膚も整い、つやつや、モチモチになり、化粧のりもよくなります。
パニックになったらバッチフラワーレスキューレメディ
仕事中、うまくいかなかったり、どうしていいのかわからなくなると、パニックに陥ってしまうといわれます。
そこで、バッチフラワーのレスキューレメディを勧めました。
バッチフラワー レスキューレメディはスプレータイプのもの、キャンディータイプのものがあります。
彼女はキャンディータイプを気に入り、いつも手元に置いて、困ったらいつでも口にいれることにしました。
レスキューを口にして、パニックが少し落ち着いてきたら、助けを求めるなどして対処すればよいことがわかったといいます。
どうしていいかわからなくなったときは、レスキューレメディを思い出しましょう!
そしてパニックになりそうになったら、すぐにレスキューを口にします。
一番大切なのは自己肯定感を上げること
私が一番問題に感じたのは、彼女の自己肯定感の低さでした。
発達障害の方は、対人関係がうまくいかないことや、仕事が思うように進まない、わからないことをうまく伝えることができないなど、毎日、どこかで、思うようにいかない日常を感じています。
さらに、ひどいいじめにあって、こんな自分はだめだと口にする方も多いです。
そのような、自己肯定感の低さが、さらに、生きづらくさせているように感じます。
彼女は、今までだって、うまくいかないことや、パニックになることはあっても、それでもなんとか、ここまでやってきました。
「ご自身でなんとかやり遂げてきた」という事実を認め、「それがいかにすごいことであったか」ということを、幾度となく語り掛けます。
さらに、そのような大変な中で、どのようにやり遂げていったのか、その秘訣はなんだったのか、ご自身の中にある解決策に気づいていただけるといいと思います。
彼女が困った場面でどのように対処してきたのかを、ひとつひとつ聞き、そのひとつひとつの努力を承認します。
そして、できれば、ご自身の今までの努力を、ご自身で認められるようになるといいですよね。
そうできるまで、時間はかかりますが、一つ気づくと、またひとつと、気づきが増えていきます。
そのような気付きの積み重ねが、自己固定感を上げるよう助けてくれるでしょう。
診察のたびに、そのような会話を続けることで、ご自身のものごとのとらえかたのくせに気付き、ご自身でそのくせを修正することも可能になってきます。
栄養療法も食事も大切ですが、一番は大切なのは、その方のものごとのとらえかた、考え方、ひいては自己肯定感にあると考え、それらの点を重視して診療にあたっています。
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※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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