12月中旬頃、大阪高島屋にて、「渓山窯」さんが期間限定で出店されるとのことで、うかがってきました。
渓山の篠原社長とは、約二十年前に有田の陶器市で初めてお会いして以来です。
お互い、すぐにわかるかな?
わくわくしながら、お店にうかがうと、以前と全く変わらない笑顔で迎えてくださいました。
渓山 篠原社長との出会い
私が関西医科大学病院に勤務していたとき、病棟の看護師Sさんと一緒に仕事をしていました。
その後、Sさんは故郷の有田に戻られ、陶器の会社にお勤めの方と結婚されました。
それから何年か経ち、私は九州大学心療内科に入局し、福岡に転居します。
せっかく近くに住んでいるんだし、有田の陶器市に行ってみようと、Sさんに会いに行きました。
そこで彼女のご主人(Iさん)が渓山の篠原社長を紹介してくださいました。
有田の陶器市では、お客さんがいっぱいなので、なかなか篠原さんとゆっくりお話しすることはできなかったのですが、今回は、お客様の途切れる間、いろいろお話しすることができました。
食器作りのこだわりや、渓山のうつわが使いやすい理由など、たくさんうかがって、気にいった器を買い求めました。
篠原さんとの会話の中で、とても気になる話題があったので、みなさんにもちょっと考えていただけたらと思い、紹介させていただくことにしました。
和食器にも時代の波
バブルのころやそれ以前は、懐石料理を提供する旅館や料亭、ホテルが多く存在していました。
懐石料理には、様々な種類の和食器がたくさん必要になります。
そのため、渓山さんをはじめ、多くの食器会社には、旅館やホテルなどから一度に大量の和食器の注文が入っていたそうです。
ところが、バブル崩壊後、ホテルや旅館ではバイキング形式を取り入れるところが増えてきました。
そうなると、必要な食器は、白もしくは黒の、丸もしくは四角い、同じサイズの皿が大量にあれば事足ります。
その結果、器屋さんがそれまで取り扱ってきたような、様々な形、大きさ、用途ごとの器は売れなくなってきたといいます。
これは深刻な問題に思えました。
経済の悪化が、日本の食文化を変え、ひいては食文化のなかのひとつである和食器も変化を余儀なくされているということです。
もしかすると、縮小、撤退せざるを得ない会社もあったということではないでしょうか。
日本の食文化が変わると、食材や料理だけでなく、食事に関するすべてのものが変わらざるを得なくなり、器もその変化の波に飲み込まれていることをひしひしと感じました。
安い食器を簡単に大量に手に入れることのできる現在、それ自体は悪いことではないはずなのですが、日本の陶磁器産業の危機を感じます。
日常生活のなかの和食器
そのような時代背景の一方で、素敵な和食器を日常生活に取り入れたいという方は少なくありません。
また最近は、和食に限らず、西洋料理やカフェなどで和食器をおしゃれに用いるなど、使用方法も多様化していますよね。
作家さんの手仕事の器には、変わらない人気があります。
渓山で一度購入されたお客様は、その後も、期間出店のたびに、買い求めに来てくださる方が多いそうです。
さらにそのお客様の紹介で来店されるお客様もいらっしゃるようで、ありがたいことだと篠原社長は言われます。
お客様を通して渓山の器の良さが伝わっていくのは、うれしいお話でした。
和食器がお好きな方は、ぜひ「渓山窯」のホームページをご覧になってください。
阪急うめだ本店でも出店予定

お買い物の後、篠原さんが、「Iさんに写真送ろう」と言われ、二人の写真を撮っていただきました。
篠原さんはとても素敵な笑顔で写真に収まっています。
私も久しぶりに篠原さんにお会いして、いろいろ話すこともできてうれしくて、とてもいい笑顔で撮影していただきました。
篠原さんは、70歳くらいといわれていましたが、とてもそんな風にはみえないですよね。
今回は、大阪高島屋で出店でしたが、この後、東京、札幌と日本中あちこちで出店されているそうです。
大変ですね。
体調には気を付けてほしいと思います。
2020年2月ころには、阪急うめだ本店で出店を予定されています。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
※篠原さんから連絡いただきました。2020年2月26日から3月3日まで阪急百貨店梅田本店にて出店とのことです。有田焼がお好きな方はぜひ、足をお運びください。渓山窯のお知らせはこちら。
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