53歳の女性、主婦の方が来院されました。
最近、ひとりで家にいると、急に悲しくなって、涙が止まらなくなってしまうと言われます。
3人のお子さんは、みな家を出て、今は、開業医の夫と二人暮らしです。
長男さんは医師、次男さんは医学部在籍中、
三男さんはこの春、遠方の大学に入学が決まり、下宿先へと引っ越していきました。
三男が家を出てしばらくしたころ、
誰もいない家の中、一人でリビングのテーブルに座っていると、
急に涙があふれて止まらなくなりました。
「今までの自分の人生はなんだったんだろう」
言い知れない空虚感とむなしさで胸がいっぱいになって、
あとからあとから涙があふれてきます。
「夫が開業してからは、
それまでやったこともない医院の事務から、受付、経理さらには人事にいたるまで、
なんでもやらなければいけなくなり、毎日必死でした」
「子供たちの塾や習い事の送り迎え、そして受験、
家の中でも気持ちの落ち着く暇もありません」
「そうこうしているうちに、医院は安定して、
三人の子供たちは成人し、家を出て巣立っていきました。
そのことはとてもうれしいのです。
うれしいはずなのに、なぜ私は暗い雲に覆われてしまったような気がしてしまうのでしょうか?」
「せっかく時間ができたのだから、好きなことでもしたらと友達に言われます。
時間ができたらやりたいと思っていたことはたくさんありました。
刺繍にガーデニング、絵を描いたり、パンやケーキをつくる…。
でも何もする気にならないんです。
わたし、どうしたらいいんでしょう?」
そう話すと、泣き崩れてしまわれました。
お友達からバッチフラワーのことをお聞きになり、
自分にあっているのではないかと感じられたそうです。
彼女に、バッチフラワーレメディのマスタードをお出ししました。
マスタードは、これといった理由もないのに、急に、深い悲しみに包まれ、
憂鬱な気分で落ち込んでしまった人のためのレメディです。
このレメディは、心に立ち込める暗雲を吹き飛ばし、
精神的な落ち着きを取り戻し、幸福感と喜びをもたらしてくれます。
いままでずっとご家族のために頑張ってこられたご自身を認め、受けとめることで、
また新たな一歩を踏み出すことができるでしょう。
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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