催眠療法を希望して来院されたのは、
ヨガインストラクターの30歳女性です。
それは、ヨガ講習を受けるため、タイのチェンマイに滞在した時のことでした。
受講先の学校で日本人男性と知り合いました。
学校で会うたび言葉を交わすようになり、
次第に、この人は「特別な人だ」と確信を持つようになったのです。
日本に帰国した後も、その気持ちは一層膨らむばかり。
次第に、彼のことが頭から離れなくなってしまいました。
何をしても、彼のことばかり考えてしまいます。
「こんなことではだめだ、彼のことは振り切って、前へ進まなくては」
そう思うのですが、そう思った矢先、彼のことを思い出してしまうのです。
どうしてこんなに、彼のことが気になるのだろう?
ただ単に気になる存在というだけではなく、
「過去に縁のあった人」だと感じていました。
そして次第に、
彼とともにあった過去世を知りたい、
「チェンマイでまた会おう」と約束した前世を知りたい、
と思うようになります。
そして過去世退行催眠を受けようと決意したのでした。
いよいよ、催眠療法が始まり、
現世へのつながりを感じさせるような過去世を経験されました。
過去世では、幼くして両親をともに亡くし、
病気がちな幼い弟を看病しています。
弟のために、ハーブを用いた体にやさしい料理を作ってあげています。
次第に、もっとハーブのことを学びたいと思うようになり、都会へ出ていきました。
するとしばらくして弟さんは亡くなってしまい、そのうえ戦争が勃発したのです。
何もかも亡くした彼女は、修道女になりました。
そして、貧困者をはじめ多くの人々を癒す仕事に心血を注ぎました。
ハーブを用いて、体にやさしい料理を作っています。
彼女の料理はおいしいと評判になり、たくさんの人が集まるようになりました。
みんなが喜んでくれる姿を見て、自身の仕事に幸せを感じています。
過去世での一生を経験した後、彼女のマスターさんをお呼びしました。
マスターは人によって異なります。
仙人のようであったり、天使のようであったり、様々な姿で現れます。
マスターはどんな方なのか、私が尋ねますと、
マスターは背中に大きな青い羽をもっていると彼女は答えました。
そして、マスターに今世での自身の使命を尋ねました。
「何も心配することはない…、
あなたはいつも悩みすぎている…、
もっと人生を楽しく」
「どのような人も生かしてあげること、それがあなたの役割」
マスターの言葉は、彼女の胸に深く刻まれたようすでした。
催眠療法から覚めた後、
「過去世での弟さん」が「チェンマイの彼」だったと思うと話されました。
「全然違う顔だけど、彼だということは、目をみたらわかります」
催眠の中では、彼との再会を約束した場面はありませんでしたが、
そのこと以上に、心の奥深くに残る何かを得たようすでした。
私も、静かな感動を感じながら、催眠療法を終えました。
それから数日たって、とても素敵なメールをいただきました。
「催眠療法の翌日、川でカワセミを見ました。
背の青いカワセミをみて、マスターがいつも見守ってくれていると感じました。
催眠療法を受けて、気持ちがとても楽になりました。
以前あった過去への囚われもなくなり、
今はしっかり前を向いて進んでいます」
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催眠療法についてのよくある質問にお答えします。
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催眠療法を受ける方に瞑想をお勧めする6つの理由
催眠の経験は正しいと言えるのか
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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