「今夜も眠れなかったら、どうしよう」
眠れない夜が続くと、眠れないことそのものだけでなく、
「夜が来ることじたい」がこわくなる場合があります。
今回ご紹介するのは、半年ほど不眠に悩み、
「薬に頼らないで眠れるようになりたい」と受診された40代の女性です。
「毎晩、眠れないんです。
ぜんぜん眠れなくて、なんども寝がえりして、
やっと眠ったと思ったら、すぐに目が覚めるんです。
一晩中、ウトウトしているような感じです。
寝ているような、起きているような状態で
そのまま朝になるんです。
そうなると、一日中しんどくて、つらくて。
わたし、ちゃんと眠りたいんです。
薬を使わずに眠れるようになりたいんです」
この記事の目次
眠れないことへの不安が、さらに眠りを妨げる
眠れない状態が続くと、
「今夜も眠れなかったらどうしよう」
「眠らなければ、明日もまたつらい」
「この状態が、いつまで続くのだろう」
という不安がどんどん強くなります。
眠ろうと意識すればするほど
気持ちは緊張して、体に力が入り、
かえって眠りにくくなってしまいます。
そして、夜がこわくなってしまいました。
「眠れない不安がさらに不眠を強める」
という、悪循環に入ってしまったのです。
不眠の背景
不眠というと、ストレスが原因と思われがちです。
しかし実際には、
- 血糖値の変動
- 栄養状態
- 睡眠と覚醒のリズム
- 運動不足
- カフェインやアルコール
- 日中の緊張や頑張りすぎ
など、さまざまな要因が重なっています。
クリニック千里の森では、眠れないという症状だけを見るのではなく、
これまでの経過、食事、生活リズム、体調の変化などを詳しく確認します。
この女性についても、血液検査結果、普段の食事内容、生活の様子を総合して考えたところ、
血糖値の変動や栄養状態が不眠に関係していると考えられました。
血糖値が下がると、体は血糖値を保とうとして、アドレナリンなどのホルモンを分泌します。
これは生命を守るために必要な反応ですが、その影響によって、
- 体が緊張する
- 動悸がする
- 寝汗をかく
- 歯を食いしばる
- 気持ちが落ち着かない
- 不安や恐怖を感じる
- 夜中に目が覚める
といった症状が現れることがあります。
そのため、夜間にこのような状態になると、
なかなか寝つけませんし、
眠っても途中で目が覚めるなどして、十分に休めなくなるのです。
食事と生活習慣を一緒に見直します
診察では、この方の状態に合わせて、食事や生活習慣を少しずつ整えていきました。
食事については、まず一日三回、なるべく規則正しく食べることから始めました。
ごはんとみそ汁を基本に、肉、魚、卵などのたんぱく質と野菜を組み合わせた、定食のような食事を意識していただきました。
また、砂糖を多く含む食品や小麦製品についても、無理のない範囲で控えていただきました。
一か月ほどで眠れる時間が増えました
食事や生活習慣を見直して一か月ほどすると、
夜の不安感が以前より減り、眠っている時間が少しずつ増えてきました。
3か月後には、自然に眠りにつける日が増え、6時間ほど眠れるようになりました。
眠れた翌日は、一日を元気に過ごせるようになったと話してくださいました。
「初診のころは、ほぼ眠れない状態が続いていて、
眠れないことで不安と恐怖感を感じていました。
けれども、今は眠れるようになり、
毎日、安心して過ごせるようになりました」
「自分をもっと大事にできるようになりました」
眠れるようになり、安心して過ごせるようになったことは、とてもうれしい変化でした。
けれども、症状改善以上に、私がうれしく感じた女性の発言がありました。
【毎回の診察は、カウンセリングでもあり、勉強でもあり、とても充実した時間でした。
眠れなくなったことをきっかけに受診しましたが、
眠れなくなる前の自分と比べて、
自分をもっと大事にすることができるようになりました。
食事や運動を取り入れて、以前より健康を手に入れられたと思います】
クリニック千里の森では、症状を改善することだけを診療の目的とは考えていません。
なぜその症状が起きたのかを一緒に振り返ると、
それまでの食事、睡眠、運動、生活のリズムなどが、
知らないうちに体へ負担をかけていたことに気づく場合があります。
「つらくても休めない」
「自分のことは後回しにしてしまう」
「もっと頑張らなければならない」
という考え方が、知らず知らずのうちに、体調に影響しているのです。
症状をもたらした背景にご自身で気づき、
体を整える方法を身につけることができれば、
診療が終わったあとも、自分で自分の健康を守っていくことができます。
今回の診察でも、不眠を改善するための食事や生活習慣について、たくさんのお話をしました。
それを
「カウンセリングでもあり、勉強でもあり、とても充実した時間でした」
と受け止めていただけたことを、とてもうれしく思います。
そして何よりうれしかったのは、私がお伝えする前に、患者さんご自身が、
「自分をもっと大事にする」
ということに気づいておられたことでした。
不眠をきっかけに始まった診療を通して、ご自身の体をいたわり、
食事や運動を生活に取り入れ、以前より健康になったと感じてくださった。
症状が改善するだけでなく、その後の体との向き合い方まで変わっていくことは、
私が診療の中で大切にしていることです。
眠れない状態が続いている方へ
不眠の背景には、ストレスだけでなく、食事、生活リズム、夜間の血糖変動、栄養状態などが関係していることがあります。
次のような状態が続いている方は、睡眠だけでなく、体全体の状態を確認する必要があるかもしれません。
なかなか寝つけない
夜中に何度も目が覚める
眠りが浅く、寝た気がしない
夜になると不安や動悸が強くなる
朝から疲れている
日中も強い眠気や倦怠感がある
薬だけでなく、不眠の背景から見直したい
クリニック千里の森では、これまでの経過や生活全体を丁寧にお聞きし、必要に応じて検査を行いながら、不眠の背景を一緒に考えます。
食事や生活習慣についても、一方的に指示するのではなく、その方の状態や生活に合わせて、取り組める方法をご提案します。
当院の診療方針、初診の流れ、費用をご確認のうえ、ご自身の希望に合う診療かどうかをご検討ください。
【不眠でお悩みの方へ】
https://clinic-senrinomori.com/tag/sleep/
【初めて受診される方へ】
https://clinic-senrinomori.com/visitor/
※患者さんのご了承をいただき、個人が特定されないよう一部の情報や表現を変更して掲載しています。
※ご紹介した経過は一例であり、診療による変化には個人差があります。
院長 野口 由美
医学博士(大阪大学)/放射線診断専門医/抗加齢医学会専門医
関西医科大学卒 関西医科大学内科、大阪大学放射線科、九州大学心療内科
日本メディカルホメオパシー学会認定医
大阪大学で医学博士を取得。
内科・心療内科・放射線科での臨床経験を重ねた後、クリニック千里の森を開設。
西洋医学に加え、分子整合栄養医学や伝統医学、補完代替医療を取り入れ、一人ひとりに最適な治療を行っている。
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
