「とても不思議な経験をしたんです」
40歳の女性の方です。
診察中、病歴をお聞きしていたところ、
急に、私を真正面からじっと見つめ、思い切ったように話し始めました。
「交通事故にあって、救急車で病院に運ばれたんです。
意識が無くて、その時のことは何も覚えていないんですけど…。
とにかく、そのあと、脳外科で緊急手術になったんです」
彼女は、瞳をキラキラさせ、にこにこしながら話を続けました。
「その間、夢を見たんです。
部屋が6つくらいあるところにいて、
私は、一番奥の部屋に通されました」
「部屋に入ったら、白いきれいなおじいさんがいて、
あなたはまだ来てはいけないよと言われました。
それで、部屋を出なくてはいけなくなりました」
「でも、そこはとても気持ちのいいところだったんですね。
わたしは部屋の奥まで行きたいなと思っていたんです。
でも、出なくてはだめ、戻りなさいと言われたので、部屋を出ることになって…。
それでその後、目が覚めたら、病室にいたんです」
「目が覚めたとき、主人に、夢で見たことを全部話しました。
うんうんって、聞いてくれて」
「あれは臨死体験だったのだろうと思います。
とても気持ちのいいところでした。
戻りたくないって思いました」
「あれから、同じ体験をした人に何人か会いました。
みんな行ったところは、いろいろで、お花畑だった人とか、大きな川だった人もいます。
でも、とても気持ちのいいところだった、というのは同じなんですね」
「主人やお友達に、死ぬときはこわくないし、さみしくなんかないんだよって話しています。
とても気持ちのいいところなんだよって言っています。
みんなも、そうなんだって思ってくれてるみたいです」
とても貴重な話で、聞き入ってしまいました。
催眠療法のなかで、過去世での死の場面を経験する場合がありますが、
みなさん、この方と同じような感覚を口にします。
「とても気持ちがいいです。平和で穏やかな気持ちです」
「一人ぼっちでなくなったけど、さみしいというような感覚はありません。
とても静かで、穏やかな気持ちです」
催眠療法の後に感想をお聞きしますと、
「死の場面は怖いのかと思っていたら、そんなことは全然なくて、とても気持ちがいいのですね」
と話された方もいらっしゃいました。
今回、話してくださった女性の方は、周りの人たちに、その貴重な経験を語るなど、勇気があると思います。
また、それ以上に、彼女の話を真剣に聞き、受け止めた周りの人たちにも感心しました。
彼女は、いい人たちに囲まれて幸せだなって思います。
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※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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