病気を理由に常勤を辞めて、半年ほどたったころから、
補完代替医療を行っている診療所を探して、
見学させていただいたり、
お話をうかがったりするようになりました。
やがて、補完代替医療のセミナー受講を始めます。
そのうち、学ぶだけではなく、
自分自身で実際に治療を経験してみようと、
診療所にも通うようになりました。
大阪だけでなく、東京や横浜にも足を運びました。
診療所はさまざまなところにありました。
東京都心の駅近くのビルに入り、エレベーターを5階で降りると、
全く窓のない廊下を恐る恐る歩き、診療所の部屋を探し…
部屋に入ると、一つしかない小さな窓から見えるのは、隣のビルの壁…
診療の帰り、ここに通院するのはちょっとつらいかなと感じました。
横浜郊外にある診療所を訪ねたときは、
新横浜から30分以上電車に乗り、やっと最寄駅に到着。
駅前のロータリーを行くと、広々とした道路に出ました。
大きな道に沿って、背の高いケヤキ並木が続き、
緩やかな坂道をゆっくりと降りていきました。
背の高いケヤキを仰ぐと、青い空が垣間見え、
道には並木の作る影、そして木漏れ日、
葉を揺らす風が通り抜け、
とても気持ちの良いところです。
3時間以上電車に揺られた疲れも、和らいでいくようでした。
坂道を少し降り、大通りからひと筋入ったところに
7階建てのマンションが建っています。
診療所はその最上階にありました。
部屋に入ると、窓から明るい光が差し込み、
遠くに富士山が見えます。
その日の帰りは、次回の訪問が楽しみでした。
元気な時には気にならないことも、
体調の良くないときには、
ちょっとした気分の変化が体調に影響します。
私が診療所のテナントを探しているとき、
気にかけたのは、この感覚でした。
クリニックに来てくださる方が、
その道中で、少しでも気分が和らぐような、
緑の多いところがいいかなと思っていました。
北千里駅からクリニックまでの道のりは、
緑も多く、桜やつつじの花も楽しむことができます。
阪急千里線の車窓からも緑を眺められます。
クリニックに来ていただく道のりが、
少しでも癒しになればと思っています。
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