なぜ夜中に目が覚めてしまうのか

食事をすると、血糖値はゆるやかに上昇しますが、食後２時間もたつと元の値に戻ります。

その後、食事をとらなくても血糖値が下がらないのは、肝臓に貯蔵しているグリコーゲンを、糖であるグルコースに分解して血糖値を保っているからです。

それでは、夜寝ている間の血糖値はどうなっているのでしょう？

寝ている間は食べることも飲むこともできません。

果たして、血糖値は下がってしまうのでしょうか？

熟睡している場合は、からだの修復を行う成長ホルモンと、血糖をコントロールするコルチゾールが分泌され、これらが肝臓に働きかけることで、寝ている間もずっと、血糖値は正常範囲に保たれています。

熟睡できていないと、成長ホルモンとコルチゾールが十分に分泌されないため、血糖値を保つことができなくなり、夜間低血糖になってしまいます。

それでは、熟睡できないのは、どのような場合でしょう。

たとえば

・寝る前にスマホ、パソコンを使う

・日中、甘いものをたくさん食べる

・興奮して疲れすぎている

このような場合熟睡することができません。

このほか、嫌な仕事をしいられる、いじめにあう、虐待されているなど、長期間にわたるストレス状態にあると熟睡することができません。

夜間低血糖になっているかどうか、どのようなところからわかるのでしょう？

夜間は寝ているため自覚することはできませんが、 朝おきたときの体調から推測することができます。

たとえば、「朝、寝違えて首が回らない、首が痛い」「ゆっくり寝たたはずなのに肩こり、腰痛」を感じていたら、夜間低血糖の可能性が高いでしょう。

朝おきたとき、手がしびれているといわれる方は、夜間、手を握り締めていて、力が入っているのかもしれません。

また、歯科検診で食いしばりを指摘されたことはありませんか。

夜間低血糖では、食いしばったり、歯ぎしりしたりしています。

からだを休めているはずなのに、なぜこのような症状がでるのでしょうか。

熟睡できていないと、成長ホルモンとコルチゾールが分泌されず、低血糖に陥ります。

すると緊急事態を知らせるホルモンであるアドレナリン、ノルアドレナリンが分泌され、血糖値を保つように働きます。

すると、アドレナリン、ノルアドレナリンの作用によって、さまざまな症状が起こるのです。

体が緊張し、力が入るため、肩こり、腰痛、歯ぎしりが起こります。

脈拍が早くなり、動悸を感じて夜中に目が覚める人もいます。

夜中に何度もトイレに行くのも、夜間低血糖が原因のひとつと考えられます。

トイレに行きたくて目が覚めるというより、低血糖のために目が覚め、その結果、トイレに起きているのです。

夜間低血糖の人はどうすればいいのでしょう。

夜間低血糖の方は、日中の低血糖対策をしっかりおこないましょう。

日中の血糖コントロールがうまくできていると、夜間低血糖はなくなります。

つまり、

低血糖症を改善する4つのポイント

でお伝えした「３食＋補食」です。

夜間低血糖対策のためだけでなく、翌朝、気持ちよく起きるためには、日中の食事と補食が大切なのです。

就寝前に、低血糖になるのではないかと不安に感じるときは、寝る前であっても補食を摂っていただくといいでしょう。

寝る前はできるだけ空腹の状態が望ましいのですが、低血糖の方は低血糖対策を優先していただくほうがよいと思います。