特に原因もないのに、不安になったり、イライラすることはありませんか。
何の前触れもなく、身体のだるさやしんどさに襲われることはないでしょうか?
その原因、実は「低血糖」かもしれません。
低血糖は、単に「お腹が空いた」状態以上に、深刻な影響をもたらします。
今回は、低血糖の症状について、詳しく見ていきましょう。
低血糖症状は2タイプ
低血糖のときにみられる症状は、二つのタイプに分けられます。
ひとつは、前項でお話しした「エネルギー不足」によっておこる症状です。
もうひとつは、「交感神経優位」になるためにみられる症状です。
エネルギー不足の症状
まず、「エネルギー不足」から起こるさまざまな症状を見てみましょう。
「疲れやすい、からだがだるい、元気がない、慢性疲労
めまい、ふらつき、立ちくらみ、低血圧
吐き気、気持ちが悪い、食欲がない、過食
呼吸が浅い、胸が苦しい、寒い、冷え
眠気、集中力低下、思考力低下、物忘れがひどい」
これらの症状のなかに、あなたも思い当たることはないでしょうか?
これらは、血糖が低いため、エネルギーを作ることができず、脳や筋肉が正常に作動できないことからおこる症状なのです。
エネルギー不足だと、
「疲れやすい、からだがだるい、元気がない、慢性疲労」を感じやすく、
「めまい、ふらつき、立ちくらみ」もおこります。
「吐き気、気持ちが悪い、食欲がない」のは、エネルギー不足で腸管が動かないためです。
「呼吸が浅い、胸が苦しい」のはなぜでしょう。
呼吸をするには、呼吸筋や胸郭を動かすためエネルギーが必要です。
エネルギー不足だと、これらの骨格や筋肉を動かすことが難しくなり、「息苦しい、息がしにくい」と感じるのです。
エネルギーは体温維持にも使われています。
そのため、エネルギー不足は体温低下をもたらし、寒さや冷えを感じやすくなります。
それでは、「過食」はなぜ起こるのでしょう。
過食してしまう背景には、血糖値の乱高下がひそんでいます。
非常にお腹がすいている状態(低血糖になっています)で食事したり、お菓子を食べると、血糖値が急上昇します。
するとすい臓からインスリンが分泌されて、血糖値は急降下してしまいます。
そうなるとふたたび空腹を感じて、血糖を上げるものを無性に食べたくなり、過食してしまうのです。
血糖値の乱高下については、今後のコラムで、詳しくお話しします。
脳が働くには、たくさんの糖が必要です。そのため低血糖では頭が働かなくなってしまいます。
その結果、「眠気、集中力低下、思考力低下、物忘れがひどい」などの症状がみられます。
低血糖の状態で、エネルギー不足になると、体のさまざまな部位のいろいろな症状が起こることがわかりますね。
交感神経優位の症状
もうひとつのタイプは、「交感神経優位」になるためにみられる症状です。
血糖値が低下すると、体は危機感を感じて、アドレナリン、ノルアドレナリンを分泌し、血糖を上げようとします。
このとき交感神経優位の状態になるため、つぎのような症状がおこるのです。
「動悸、頭痛、肩こり、
発汗、手足の冷え
うつ症状、 不安感が強い、やる気がおきない、
情緒不安定、強迫観念、被害妄想、イライラ
死にたくなる、自分はダメだと思ってしまう」
交感神経優位の症状って、特別なものではありませんよね。
あなたも経験されたことがあるのではないでしょうか。
交感神経優位な状態とは、たとえば、突然、クマやライオンに遭遇した場面を想像していただくと理解しやすいと思います。
「戦うか逃げるか」という緊急事態ですから、一瞬で体に緊張が走ります。
心臓はドキドキして(動悸)、
息もしにくく、
手には汗をかいているかもしれません(発汗)。
筋肉には力が入り(肩こり)、
手足の末梢血管は収縮するため、手足を冷たく感じます(手足の冷え)。
これらは、交感神経優位のとき、だれにでもおこることなのです。
ところが、目の前にクマやライオンなどの脅威もなく、特に思い当たる原因もないのに、急に心臓がドキドキして、手に汗をかいていたら驚きますよね。
その状況は、低血糖で交感神経優位になっている状態かもしれません。
頭痛はどうして起こるのでしょう。
低血糖になると、アドレナリンが分泌され、血管が収縮します。アドレナリンの分泌が収まると、その反動で今度は血管が拡張するのです。
すると拡張した血管が、周囲の神経を刺激して、頭痛が起こると考えられています。
頭痛持ちの方のなかには、「お腹が空くと頭痛がひどくなる」と感じておられるかもしれません。
頭痛と低血糖は関係しているのですね。
それでは交感神経優位のとき、「うつ症状、 不安感」が起こるのはなぜでしょう。
交感神経優位の状態になると、ノルアドレナリンの影響により、緊張感、不安感、恐怖感が強くあらわれます。
そのため、イライラしたり、不安を感じたり、抑うつ状態になるなど気持ちが不安定になるのです。
このような精神的な症状は、人によってさまざまです。
「やる気がおきない」から、「強迫観念」や「死にたくなる」まで多彩な症状がみられます。
いかがでしょう。
思い当たる症状はなかったでしょうか。
血糖値の変動は体と心に大きく影響しています。そのため、不調の改善には血糖の安定がとても重要になるのです。
院長 野口 由美
医学博士(大阪大学)/放射線診断専門医/抗加齢医学会専門医
関西医科大学卒 関西医科大学内科、大阪大学放射線科、九州大学心療内科
日本メディカルホメオパシー学会認定医
大阪大学で医学博士を取得。
内科・心療内科・放射線科での臨床経験を重ねた後、クリニック千里の森を開設。
西洋医学に加え、分子整合栄養医学や伝統医学、補完代替医療を取り入れ、一人ひとりに最適な治療を行っている。
