前項で、血糖値を急上昇させる食べ物を避け、
「1日3食」食べましょう、
「補食」を適宜とりましょう
とお話ししました。
今回は、この「低血糖対策」について詳しくお話ししていきましょう。
低血糖対策で体感する驚きの変化
「三食+補食」をとることで、日中の血糖値が正常範囲内に入ってくるようになると、異様なからだのだるさ、疲労感はなくなり、気持ちも安定してきます。
低血糖対策をとっていただいた方からは、次のような感想をいただいています。
「朝、気持ちよく起き上がれるようになり、全く食べられなかった朝食も毎朝とれるようになりました」
「朝、頭痛や腹痛でずっといけなかった学校に行けるようになってほんとうによかったです」
「床にちらかっている靴下やシャツを、何てことなく拾って片付けることができるようになりました。
以前は、かがんで拾い上げることすら面倒で、しんどいし、疲れるからいいやと思って、ずっと放っていました。
元気になると体の感覚が全然違って、面倒でなくなり、なんでもさくさく済ませることができるようになりました」
「以前は、洗濯物を取り込んだら、ソファの上に山のように積み上げてそのままにしていました。今では、取り込んだそばからすぐにたたんでいます」
「食後はいつもゆっくりしてしまっていましたが、今では、食べ終わったらすぐに立ち上がって食器を洗っています。以前の私には考えられないことでびっくりしています」
食事に気を付けるだけでこんなに変わるのです。
低血糖対策を取り入れたら、あなたはどんな変化を感じられるでしょう。
それでは、さっそく、「低血糖対策」について、何をどれだけ食べるとよいのか、具体的にお話ししていきましょう。
血糖値を安定させる食事のポイント
1回の食事のめやすは、
「ご飯は握りこぶし1つ分、
肉や魚などのタンパク質は片手てのひら分、
野菜は両てのひら分」
になります。
これが1食分ですから、1回食事を抜いた場合、後の2食で取り戻すのはとても大変なことだとわかります。
ご飯は何をとるとよいでしょう。
白米は血糖を急上昇させやすく、玄米はよく噛む必要があるなど胃腸の負担になりやすいことから、「分づき米」から始めていただくとよいでしょう。
お米にもち麦や押し麦、雑穀などを混ぜていただくのもおすすめです。
食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富になり、血糖上昇抑制効果も期待できます。
タンパク質は片手てのひら分ですので、お肉だけ、もしくはお魚だけでは不十分になりやすいことがわかります。
卵や納豆、豆腐なども含めて、二種類以上のタンパク質を合わせるようにしましょう。
食欲不振の朝でも食べられるコツ
朝は時間がない、食欲がないなどの理由で食べられない、お昼も、仕事が忙しくて食べる時間がないという場合もあると思います。
そのような場合は、味噌汁だけ、スープだけでもいいですので少量を口にして、その後、補食をとって補いましょう。
朝、食欲がなくて食べられないのは、胃腸が動いていないためです。
胃腸を動かすにはエネルギーが必要ですし、食事をするのだってエネルギーは必要です。
食欲がない場合は、りんごやみかんなど少量の果物をとって少し血糖をあげると、胃腸が動き出し食べる元気が出てきます。
低血糖を防ぐ!効果的な補食ガイド
3食をとっていても、低血糖に陥る方は、補食をとっていただくとよいでしょう。
「補食」とは文字通り、食を補うものです。
甘いお菓子やコーヒーといった「間食」とは異なりますので注意してください。
補食としておすすめしているのは、
「一口おにぎり、焼き芋、干し芋、甘栗や、蒸かしたサツマイモ、カボチャ」
など、緩やかに血糖値をあげる食べ物です。
できれば炭水化物とともに、タンパク質も一緒にとれると理想的です。
おにぎりに「鶏そぼろ」や「卵そぼろ」、「鮭フレーク」、「カツオ節のお醬油和え」などをまぶしたりするとよいでしょう。
骨付き肉を水から煮だしたボーンブロススープやお味噌汁もおすすめです。
そのほか、ゆで卵、黒豆などの煮豆、りんごなどのフルーツ、ナッツやはちみつ、葛湯なども挙げられます。
これらの補食は、ビタミン、ミネラルを含み、血糖をゆっくり上げる、小さな食事のようなものと考えていただくといいかもしれません。
補食はおなかがすく前にとっていただくのがポイントです。
お腹がすいたと感じたときには、すでに低血糖に陥ってしまっており、血糖を上昇させるホルモンである、コルチゾールやアドレナリンなどが分泌され、血糖は上昇傾向になっています。
そこに補食を入れるとかえって高血糖になってしまうのです。
食後2時間もすると、食前の血糖値に戻りますので、食後2、3時間たったら補食をとるとよいでしょう。
そのほか、1日のうち、最も血糖が下がりやすい午後3時から4時くらいにとるのもおすすめです。
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