看護師として忙しい毎日を過ごしている女性が、
過去世退行催眠療法を希望して来院されました。
アロマセラピーで独立したいが、
看護師としての仕事にもやりがいを感じており、
どうしたらいいのかわからないと話されます。
催眠療法の後は、
「どう進むにせよ、何をするにせよ、自分は大丈夫だと確信した」
と話されました。
今回は、その催眠療法の内容を紹介します。
会社員から看護師に
短大を卒業後、会社勤務されていたのですが、
5年ほど経ったころ、ふと、「人の役に立つ仕事がしたい」と考えるようになり、
20代後半で看護学校に入学されたのだそうです。
看護師になってからも、総合病院で勤務しながら、
勉強を続け、さまざまな資格を取得してきました。
そんな彼女に転機が訪れます。
アロマセラピーに出会う
「40歳前くらいだったと思います。
アロマセラピーの講習会に参加する機会があって、
これは自分に合ってるって思ったんですね。
それで、その後も勉強を続けているうち、
実際に、病棟でやってみようって思ったんです。
周りの看護師に働きかけて、
病棟でアロママッサージの会を開きました。
患者さんたちは大喜びでした。
看護師からの評判もよくて、ますます楽しくなって、
さらにいろんなマッサージを勉強するようになったんです。
いろんな技術も身に着けたし、
もっと医療に取り入れたいなぁって思うんですけど、
だんだん、思うように進まなくなってきたんです。
というのも、私が役職に就いたんです。
それで、ますます患者さんに直接対応する時間がなくなってしまいました」
看護師の仕事とアロマセラピーの両立
「病棟でマッサージをするとなると、
結局、自分の時間を削ることになります。
そのときは楽しいけど、後で疲労困憊してしまうんです。
役職の仕事も、看護師としての仕事も、両方やりがいがあります。
看護師として、これから先ずっと働き続けたいと思っているのですが、
アロマセラピーも大好きです。
両方とも両立できると一番いいのですが、
今のままだと無理な気がしています。
最近は、勉強する時間すら取れなくなってきたんです。
講習会に参加したくても、休みをとるためには、スタッフの同意が必要ですし、
そもそも、なかなか休みを取ることもできません。
なんとか頑張って休みをとると、
気づいたら、すべてのお休みが講習会でうまってるんですよ。
自分で考えて予定を決めたはずなのに、笑っちゃいますよね。
勉強するのは楽しいんだけど、休みがまったくない状況になって、
最近は、ほんとうに疲れ切ってしまいました。
いったい私はどうしたらいいんだろう?
本当になにもかもわからなくなりました」
アロマセラピーで独立したい
「実は、わたし、アロマセラピーやマッサージで
独立できるといいなって考えているんです。
現実は、難しいこともわかってるんですけど、
どうやったら独立できるだろうって、
きがついたらそのことばかり考えています。
とにかく、私、マッサージが好きなんです。
人の肌に触れることこそ喜びってくらい。
肌に触れると、その人がどんな状態にあるのかもわかります。
マッサージするうちに、緊張感が抜けて、ふとした瞬間に、感触が変わるんです。
そしたらもう、心の中でガッツポーズですよ。
ヨシ!って思います。
それに、マッサージ終わった後、
笑顔で、たくさん『ありがとう』って言っていただけるんです。
もう最高!
こんな幸せな仕事ないですよね」
「看護師の仕事も好き。
でも、アロマセラピーも続けたい。
できれば、独立したい。
そのためにはどうしたらいいのか、
どう考えるといいのか、
そういうことを、過去世を見て知って、なにかわかるといいなと思っています」
本当に素敵なお話しです。
会社員として働いておられて、
そこから、看護師さんになるほどの努力家です。
看護師の仕事にとどまらず、
アロマセラピーの勉強をずっと続け、
今は、それらを生かす方法を模索されています。
過去世退行催眠療法
病弱なお母さんを看病
過去世退行催眠療法を行いました。
そこは、中世のヨーロッパです。
彼女は女の子で、両親と弟の四人で暮らしています。
母親は病気で、ベッドに横になっています。
彼女は、母親の代わりに料理をします。
今は、自宅まわりの野原で摘み取ったハーブを使って、
母親のためにハーブティーを作っているところです。
母親の体調のために、ハーブや薬草がよいと知り、勉強を始めました。
この後、桶にお湯をため、ハーブを散らし、足湯のようなものを用意して、
足を温めた後、母の足をマッサージしてあげます。
母親は、彼女にマッサージしてもらうこの時間をとても楽しみにしています。
マッサージの間は、気分もよく、体も楽になるようです。
「マッサージの後は、とてもきもちよく眠ることができるのよ」
と母親が話しています。
マッサージで病気は治せない
次の場面では、成長した大人の女性になって、
寝たきりのおばあさんに、マッサージをしています。
おばあさんはお客さんです。
何の病気なのかはわかりませんが、痛みのためか、とても具合が悪そうです。
マッサージをしている間、おばあさんはとても穏やかな表情でお休みされています。
おばあさんはマッサージの時間をとても楽しみにしています。
マッサージの後は、いくぶん気分がよくなり、
少し食べることもできますし、
夜はぐっすりお休みすることができるのです。
おばあさんも、おばあさんのご主人も、
女性にとても感謝しています。
けれども、女性は、複雑な気持ちです。
マッサージだけでは、今後、病気がよくなる見込みはないように思います。
このままマッサージを続けていて本当にいいのでしょうか。
ほかに良い方法があればと思いますが、
そんな方法があるのかどうか、女性にはわかりません。
そんな自分の無力さを感じながら、おばあさんの自宅でマッサージしているのです。
たくさんの人に知ってほしいけど
女性は、希望される方にマッサージをしているようですが、
どうやらひっそり行っている様子です。
禁止されているわけではなさそうですが、
もしかすると、あまり、公にしてはいけないことなのかもしれません。
マッサージはよいものなのに、多くの人に知ってもらうことができません。
そのような無念さ、くやしさ、そして閉塞感が、女性の気持ちをふさいでいました。
過去世の死の場面
ある時、マッサージを行っていることが町のうわさになり、
よからぬことをしているのではないかと、疑いの目で見られるようになりました。
次の場面では、何かに追われるかのように、
女性は急いで町を脱出しています。
次の場面では、女性は亡くなっていました。
冷たい石の上に横たわり、まわりには誰もいません。
けれども不思議と、寂しさや悲しさを感じることはありません。
マッサージを続けられたことは、とても幸せなことでした。
マッサージを通じて出会った、たくさんの人のことをひとりひとり思い出し、とても穏やか気持ちです。
私はひとりじゃない
催眠療法の後、感想をお聞きします。
「過去世でもやっていたんですね、マッサージ。
驚きました。
初めて学んだ時、なんとなく、『私、これ知ってる』って思ったのですが、
その感じは、嘘じゃなかったんですね」
「住んでるところを追われるように出て行ったのですが、
マッサージをあきらめようなんて、全然思っていなかったみたいです」
「死ぬことって怖いものじゃないんですね。
なんだか、とても静かで、穏やかで、幸せな感じがしました。
死は怖いものじゃないってわかったのは大きかったです」
「今抱えている問題に対する、直接の答えを得られたわけではないのですが、
なんだか、やっていけそうな、道を開いていけるような気がします」
言葉にできないなにかを得られたような表情です。
「これからどのようにやっていくにせよ、
どの方向に進むにせよ、大丈夫だっていう気がします。
今まで、自分ひとりで悪戦苦闘しているように思っていたけど、
ひとりじゃない気がして、勇気がわいてきました」
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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