大阪・吹田市の薬に頼らない心療内科ならクリニック千里の森

06-6155-7238

完全予約制 月曜・水曜・金曜(14-17時)祝日休

死産後、夫がうつ病に

綾子さんが再び来院されました。
前回、死産の後に受診されてから1年がたっていました。

久しぶりにお会いして、あいさつを交わしながら、
綾子さんのかたい表情が気になります。

 

夫がうつ病で休職

「夫がうつ病と診断されて、心療内科に通院しているんです」

私は、ちょっとびっくりしてしまいました。

あの、モラルハラスメント傾向のご主人です。
(詳細については、「モラルハラスメント夫」をご覧ください)

それにしても、どうしてこうも、綾子さんには、次から次といろいろな出来事が降りかかってくるのでしょう。
(詳細は、「死産を乗り越えて」、「流産の後、まわりからのひと言がつらい」をご覧ください)

「夫は投薬治療を続けているのですが、まったくよくなっている気配がありません。

会社は今のところ病休扱いになっています。

でも、病気休暇扱いにも期限があります。

あと数か月ほどで、休職扱いになってしまうので…、そうなると収入がかなり減ってしまいます。

夫が復帰できないとなると、収入のことなどいろいろ不安で…」

死産の後、夫がうつ病に

「死産の後は、夫も落ち込んでいる様子でした。

でも、私自身も、自分の精神状態をキープすることで精一杯だったんです。

夫も落ち込んでいるみたいだなぁ、とは感じていたのですが、
自分と同様、一時的なもので、時間がたてば元気になるものと思っていたんです。

ところが、夫は、眠れない日が続くようになって、
次第に朝、起きられなくなったんです。

食欲もなくて、食事を作っても食べないことが多くなって…。

特に朝は、「しんどい、しんどい」って言います。

そのうち、「息苦しい、おぼれそうだ」って訴えるようになりました。

 

そして、死産から三か月くらいたったころだったと思います。

ある朝、急に起き上がれなくなって、仕事を休むって言いだしたんです。

そして、「心療内科を受診するから、診療所を探して予約を入れろ」
って命令されたんですよ。

それで、心療内科を受診して、

うつ病と診断されて、

さらに大人の発達障害も指摘されました。

投薬治療を受けているんですけど、
それ以来、9か月間、会社には一度も出勤していません」

 

「夫は、会社の人間関係でトラブルになっていたみたいです。

『あいつらのせいで、自分はこんなことになった…。
全部あいつらのせいだ…』
って、しょっちゅう、ぶつぶつ言ってましたから」

夫の父親の病死

ご主人がうつで治療を始めてしばらくして、
追い打ちをかけるように、悲しい出来事が起こります。

 

「夫がうつ病と診断されて3か月くらいだったと思います。

夫の父親に進行がんがみつかったんです。

それが…、がんってわかって、入院したと思ったら、数週間で亡くなってしまったんです。

それがすごくショックだったみたいで、うつがさらに悪化したんです」

 

「しばらくして、今度は、夫の母親の言動がおかしくなってきたんです。

夫の兄弟でいろいろ相談して、病院に連れて行くことになったんです。

結局、私が連れて行ったんですけど…。

それで、認知症って診断されたんです。

そしたら、今度は、母親が認知症だという事実を、夫が認めることができなくて、
『そんなはずはない。母親はしっかりしている。大丈夫だ』
って言いだしたんですよ。

母親の方も、自分は大丈夫だし、一人でなんでもできると言い張るしで…。

もう、なんのために病院に連れて行ったんだか…。

それに、なかなか予約のとれない認知症外来の予約を、夫が勝手にキャンセルしてしまったんですよ。

それ以降、母親は治療を受けることなく、放置状態になっていて、さらに心配事が増えました」

実の母も不安定に

同じころ、綾子さんの実の母親も、不安で眠れない日々が続いていたと言います。

「死産の後、『不安で不安で仕方がない』って言うんです。

死産も自分のせいじゃないかって、
自分のせいでこんなことになったんだって、
いろいろ考え込んだりするっていうんですよ。

『そんなことないから、お母さんのせいじゃないから』って話すんですけど、

『わたしのせいで、ごめんなぁ』って泣かれて…、

もう、なんでこういうことになっちゃうのか、わけがわからないです。

死産した本人は元気になってきたのに、周りのみんながだんだんおかしくなってきて…、

なんで⁈、みんなどうした?って思います。

もう、私の心のケアどころじゃないんですよ。

みんなのことをどうにかしてあげなくてはいけなくて、自分のことどころではなくなりました。

 

母は精神科を受診して、治療を受けていたのですが、言動がどんどんおかしくなっていったんです。

すると今度は、そんな母と一緒に暮らしている父親の方が、
『どう対処したらよいのかわからないし、自分の方までおかしくなりそうだ』
と言って、助けを求めてくるようになりました。

父親から電話を受けるたびに、母の様子を見に行くことになって…、

それが次第に、毎日のように電話がかかってくるようになったんです。

そしたら、主人が、
『病気の自分を置いて、実家に帰るとはどういうことか』

といって怒ってくるんですよ。

もう!、めんどくさっ!

私はどうしたらいいのよ!って思いました。

そうこうしているうちに、母親が転倒したんです。

硬膜外血腫かなんかで入院することになって、しばらくして亡くなってしまったんです。

もう、呆然です。

どうして…⁈

わけがわからないです」

結婚の意味ってあるのかな

綾子さんは、死産のあと、心の整理がつかないまま、とてもつらい日々を過ごしていました。

なんとか、自分自身を取り戻そうとしているところに、
ご主人のうつ病、
夫の父の病死、
夫の母の認知症、
実母の不安定な精神状態そして、
実母の死と、
いろいろなことがありすぎて、自分のことに気を回す余裕もありません。

主人の父親の死に続き、自身の母親の急死もあって、

「人って一瞬で亡くなってしまうんだな」

と思わないではいられませんでした。

「いろいろなことが起きすぎて、
自分はなんだか以前と変わってきたのではないかと感じています。

もうめったなことでは驚かなくなりました。

今、一番困っているのは、疲労感です。

いろいろなことがありすぎて、本当に疲れました。

寝てもねても、疲れが取れません」

「みんな、死産の後から、おかしくなっているけど、なんで?

私は大丈夫なのに、どうして、まわりがみんなおかしくなっているの?

『どうしてこんな目にあうんだろう。

どうしてこんな目に合わないといけないんだろう』

って考えてしまうけど、理由はみつかりません。

今は、たまたま重なっただけだと思うようにしてます」

「それに、夫がずっとこんな状況で…、
結婚ってなんだろう?
って思います。

うつで、ずっと仕事していない夫と、こういう状況で…、
結婚の意味ってなんだろうって考えます。

だからといって、今は離婚は絶対できないですけど…」

 

バッチフラワーレメディを選びます。

寝てもねても疲れが取れない、心身ともに疲労困憊されているので、オリーブは必要です。

夫の病状は軽快するのか、仕事復帰はいつになるのか、先々の不安を感じておられますので、ミムラスもお出しします。

「ひとりになりたいです」としみじみと言われます。

ひとりでゆっくりできる時間と場所が必要ですよね。

ウォーターバイオレットも必要かもしれません。

実母が亡くなられるなど、
とてもつらい出来事が続いています。

このような悲しいできごとに遭遇したとき、
スターオブベツレヘムを用います。

「今は悲しいっていう段階は通り過ぎた感じです。
それより、疲れていることがつらいです。

母が亡くなったころが疲れのピークで、
それ以来、疲れが取れなくなりました。」

スターオブベツレヘムではない感じと言われます。
今回は、必要ないようです。

 

「だれにもこんな話できなくて…、
いっぱい話しできて、なんか落ち着きました」

死産されたことだけでも、大変な経験です。

そのうえ、ご家族のご病気まで重なり、心労ははかりしれません。

そんななかでも、自分自身をしっかり保っておられたことに、尊敬の念を抱かないではいられませんでした。

この1年のご自身の頑張りを認め、ゆっくりお休みできる時間を持っていただくようお話ししました。

※関連記事です。
流産の後、まわりからのひと言がつらい
モラルハラスメント夫
死産を乗り越えて
死産を経験した私だからこそできること

※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。

クリニック情報

「クリニック千里の森」は、栄養療法・バッチフラワーレメディ・ホメオパシー・催眠療法を用いた、補完代替医療・統合医療の心療内科クリニックです。完全予約制、自由診療となります。

完全予約制 月曜・水曜・金曜(14-17時)祝日休

※電話受付時間:平日 9:00〜18:00

住所
〒565-0874 大阪府吹田市古江台2-10-17
グリーンプラザ千里古江台303号室
最寄り駅
阪急電鉄「北千里」駅徒歩8分

Google Mapで見る