咽喉頭異常感症、舌痛症の栄養療法

喉がつまって息苦しく、舌に違和感があって、食べられないという女性が来院されました。

さまざまな病院を受診したのですが、どこにも異常はないと言われます。

けれども症状は悪化する一方で困り果てていました。

症状発現のころの様子をお聞きしますと、将来の不安を感じていたことを話されます。

そこにコロナ感染拡大がおこり、さらに不安が増強した様子です。

不安な気持ちに対して、バッチフラワーレメディと栄養療法を用いることになりましたので、その内容を紹介します。

のどがつまって息ができません

70代の女性です。

のどがつまって、息苦しいと来院されました。

「なにかがのどにひっかかっているみたいで、呼吸しにくくて、息苦しいです。

食べ物も、飲み物も喉を通りません。

それに、舌全体が何かに包まれているみたいで、一日中、舌がしびれていて、食事も食べにくいです。

味もよくわからなくなって、以前は好きだったものも食べなくなりました。

この一年くらいの間に10kg体重が減りました。

症状が起こり始めたのは一年くらい前のことで、それから徐々に悪化しています。

今年に入ってさらにひどくなっていて、この数か月で急激に悪化しているんです。

最近は、胸がつかえる感じがします。息もしにくいです。

この一年の間、耳鼻科、歯科、内科、心療内科と、いくつも病院にかかりました。

CTやMRIなどいろいろ検査もしました。

でも、どこに行っても、原因はわからないって言われます。

処方された薬をとっても良くなりません。

それどころか、薬があわなくて、かえってひどくなったので、薬はやめました。

もう、薬は飲みたくありません」

症状が始まったのは一年前だそうですが、ちょうどコロナ感染が拡大したころでしょうか。

「あぁ、そうですね。

コロナがこわくて、そのころはずっと家に閉じこもっていました」

コロナ感染拡大のために、不安に感じていたことも関係しているのでしょうか?

「たしかに、そういうこともあるかもしれません。

でもね、感染が落ち着いたような時期もありましたでしょう。

そいうときによくなったかというと、そういうわけでもないんですよ。

ワクチンも打ったのに、症状は悪化しています」

料理をしなくなった

食べられないと言われていましたが、食事はどうされているのですか。

「食事はお惣菜を買っています。

私は一人暮らしなんですね。

3年前まではずっと、三食とも自分で食事を作っていました。

でも、なんだか、料理する気力がなくなってしまって…。

お弁当の宅配サービスも使ってみたんですけど、飽きてしまって、
スーパーの惣菜を買うようになったんですけど、これにも飽きてきて、お惣菜屋さんからも買ってみたり、今はいろいろです。

そうしたら、もう、ますます料理する気力がなくなってしまいました」

食事が変わったことも、症状と関係があるかもしれませんね。

お惣菜では、十分なミネラルやビタミンをとることができない可能性があるんですよ。

味覚の低下は亜鉛不足でも起こりえますし、喉のつまりは、鉄不足から起こることもあります。

食事が関係しているなんて、考えたこともなかったというような驚いた様子で聞いておられます。

楽しみだったサークルがなくなってしまう

コロナのこと以外で、不安に感じていたり、気になっていたことはないですか。

「私、いくつか、サークルに参加しているんですけど、
そのなかで、一番楽しみにしていたサークルがあるんですね。

それが、人の集まりが悪いからって、なくなってしまったんですよ。

それがとてもさみしくて。

もう、みなさんにお会いできないと思うと、悲しいです。

私、一人暮らしでしょう。

だから、みなさんといろいろお話しできるのが、とても楽しみだったんですね。

でも、それも、ひとつ、ひとつとなくなっていって、とてもさみしいです」

 

困っている症状のことは、誰かに相談したり、話したりされましたか。

「だれにもはなしていません。

こんなことは、他の人に話すことじゃないと思います。

病気だかなんだか、よくわからない症状のことを聞いても、相手も困りますでしょ。

それに、昔から、私は、あんまり自分のことを他人にいろいろ話したりする方ではなかったんです。

とにかく、病院を受診するしかないかなと思っていました」

ひとり暮らしなので将来が不安

喉のつまりや舌の違和感を訴えられる方は真面目な方が多いんですね。

お話しをしながら、とても几帳面なかたではないかなと感じたのですが、いかがですか。

いつも、前もってちゃんと段取りして、準備万端整えないと気が済まないみたいなところはありませんか。

「たしかに、そうかもしれません。

私ね、町内会の当番にあたったんですよ。

それで、ちゃんと回覧板まわるかしらとか、集金できるかしらとか、いろいろ気を遣うことが増えました」

 

その他に、不安に思っていることはありますか?

「不安といえば…、私は、一人なので、これからどうしようとか、不安がいっぱいです。

最近、物忘れもひどくなっているし、認知症になったらどうしようとか、

歩けなくなったらどうしよう、施設に入った方がいいのかしらとか、

病気になったらどうしようとか、もう不安だらけです。

年をとっても生きていかなければならないでしょ。

でも、私、ひとりで不安です。

どうしたらいいのか、わかりません」

不安が症状を悪化させる

一人暮らしのため、さまざまな不安を抱えておられたところに、楽しみにしていたサークルがなくなったことはかなりショックだったのはないでしょうか。

そもそも、コロナ感染拡大が懸念されていた一年前は、直接交流する機会も極端に減っていたと思います。

不安に感じていることが積み重なり、そこに、コロナ感染による生活の変化も加わって、不安が倍増したのかもしれません。

不安がつよいときは、健常なひとであっても、のどや胸がつまるような感じがすることがあります。

不安な気持ちは、筋肉を緊張させるんですね。

不安が重なって、症状の引き金になった可能性はあるかもしれません。

そう考えると、不安な気持ちに対処することは、症状の対応のためにも重要ではないかと思います。

「のどのつまりが、不安な気持ちから来ていると言われれると、たしかにそんな気もします」

バッチフラワーレメディを選びます。

感情面に対して、バッチフラワーレメディを紹介したところ、希望されましたので、レメディを選びます。

一人暮らしなので不安でたまりませんと、さまざまな不安要素を話しておられますので、ミムラスは必要です。

また、漠然とした不安もあるということなので、アスペンも選びます。

他人に気を遣うことが優先され、自分のことはあまり話さないようにしているということでした。

喉のつまりや舌の違和感を感じながら、それを言葉や表情に出すことなく、人に会うのはかなりつらかったと思います。

他人を第一に考えておられるところには、アグリモニーとセントーリーが必要かもしれません。

また、症状がどんどん悪化する一方で、もう絶望的だと感じているということでしたので、スイートチェストナットを選びます。

これらを用いて、トリートメントボトルを作ります。

そのほか、急に不安になったりしたときは、バッチフラワーレスキュースプレーを利用するのもいいと思います。

たんぱく質やビタミン、ミネラルの不足

料理をしなくなってから、ますます気力がなくなり、その後、喉のつまりなどの症状が出ています。

食事がすべて惣菜になったことで、ビタミン、ミネラルが不足していたとも考えられるでしょう。

味覚の低下、舌の違和感などの症状から、亜鉛の不足が疑われます。

また、たんぱく質も十分にとれていなかったのかもしれませんね。

食べていたとしても、ストレス下では、消化吸収がうまくできていなかった可能性もあるでしょう。

栄養素が不足すると不安に陥りやすく、不安症状を増強します。

気持ちを安定させる神経伝達物質を作るには、たんぱく質や、ビタミン、ミネラルが必要なためです。

 

ビタミン、ミネラルの吸収を高める工夫

不安なとき、体は緊張状態に陥り、胃腸機能は低下しますので、栄養素の吸収も低下します。

そのうえ、喉のつまりや舌の違和感があれば、さらにストレスが増強し、消化吸収はさらに低下してしまいます。

ミネラルやビタミンの吸収には胃酸が必要です。

ストレスや不安のために胃酸分泌が低下している時には、食前にレモン水や梅干しをとるという方法もあります。

食前のレモンやリンゴ酢、梅干しなどは、胃酸の働きを助けてくれます。

消化能力の低下には、消化酵素のサプリメントを利用するという方法もあります。

たんぱく質をとる工夫

料理をすることなく、たんぱく質を簡単に取るには、かつお節や煮干しの粉を利用するという方法があります。

かつお節や煮干しの粉をご飯に振りかけたり、おかかのおにぎりを作るのもいいですね。

かつお節や煮干しからとったお出汁には、たくさんのアミノ酸が含まれています。

かつお節や煮干しの粉とお味噌でつくった味噌玉を用意しておくと、簡単にお味噌汁を作ることができます。

お味噌汁にお豆腐を入れてもいいですし、乾燥わかめや切り干し大根を入れるなど、毎食、工夫することもできます。

腸内環境の悪化

年齢とともに、腸内細菌は大きく変化し、腸内環境が悪化することがわかっています。

乳酸菌などを利用して、腸内環境を整えることも必要かもしれません。

栄養素を食事で補うのは難しいようでしたら、ビタミンやミネラルのサプリメントを使ってみてもいいと思います。

気持ちが安定するまでの間だけでも、使ってみるのもいいでしょう。

 

「たしかに食事はおろそかになっていたと思います。

自分で料理しなくなってから、さらにてきとうになってしまっていました。

やっぱり食事は大切なんですね。

栄養でよくなるかもしれないならぜひ試してみようと思います」

喉が詰まって飲み込みにくいということなので、飲み込みやすいサプリメントがいいでしょう。

小さな錠剤か、もしくは液状のタイプを選びます。

 

「喉のつまりや舌の違和感が、不安な気持ちから来ているかもしれないとわかって、ちょっと光が見えた気がします。

今日は、症状のことだけでなく、それ以外にも、不安に思っていたことなどいろいろ話を聞いてもらってすっきりしました」

※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。

クリニック情報

「クリニック千里の森」は、バッチフラワーレメディ・ホメオパシー・栄養療法・催眠療法を用いた、補完代替医療・統合医療の心療内科クリニックです。完全予約制、自由診療となります。

完全予約制 月曜・火曜(15~17時)

住所
〒565-0874 大阪府吹田市古江台2-10-17
グリーンプラザ千里古江台303号室
最寄り駅
阪急電鉄「北千里」駅徒歩8分

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