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娘に嫉妬する母親

前回の、幼少時の性被害 のなかで、佳子さんの母親の話が出てきました。

佳子さんが、ボーイフレンドから素敵なプレゼントをもらったのを知ると、
ひどく侮辱するような言葉を投げつけています。

このような母親は、幼い娘が成長し、
美しいおとなの女性へと変貌を遂げることに抵抗を感じ、
受け入れることができません。

そればかりか、娘を否定するような言葉を投げつけたり、嫉妬したりします。

娘が幸せそうにしていると、意地悪することすらあるのです。

そのようすはまるで、おとぎ話の『白雪姫』にでてくる継母のようです。

娘への嫉妬は幼少期から始まる

女性らしい服や下着を与えない

以前、初潮を迎える娘に、かわいらしい生理用ショーツとナプキンをプレゼントしようというコマーシャルが流れていたことがありました。

そのCMを見て、子供のころを思い出し、涙がこぼれたという女性がいます。

彼女は初潮を迎えたとき、母親から、
使い古した、古臭い生理用ショーツを与えられました。

『なに、この古臭い下着?

母親とはいえ、他人が使った下着を、初潮のときに使えっていうの?

なんかひどいなぁ。

でも、それしかなかったのかな。

急なことで、母も困ったのかな』

なんだか変だなとは思ったけど、反論できる状況ではありません。

母にありがとうと言ってそれを使いました。

こどものときは、よくわからなかったけど、
その出来事がなにを意味しているのか、
どれだけ妙なことなのか、
大人になった今はわかります。

 

急に不機嫌になる母親

CMのなかでは、下着売り場で、
母と娘が、とてもかわいらしいデザインの下着をあれこれ選んでいました。

自分の幼少期とは時代が違うとはいえ、
ふたりの姿を見て、あまりの違いに驚いてしまいました。

その様子を見ながら、ふと考えこんでしまいます。

『そういえば、子供のころ、下着とか、服とか、どうしていたんだろう?』

女の子は、成長するにつれ、ブラジャーを身に着ける時期が訪れます。

そのときはどうだったのだろう…?

そういえば…、
そのときも、同じようなことが起こったことを思い出します。

母親にはなんどか、ブラジャーが必要と言われている話をしようとするのですが、
そのたびに、母親は急に不機嫌になり、どこかへ行ってしまいます。

そのため、なかなか買ってもらうことができません。

それがある時、母親が「はい、これ」と差し出したのは、
母親が使い古した、おばあさんが身に着けるような、
ブラジャーとは似ても似つかないようなものでした。

女性は、それを何年も使うことになります。

彼女の実家は会社を経営する裕福なおうちです。

決して、金銭的に困っていたわけではありません。

しかし、彼女には、下着だけでなく、
女の子らしい服装も与えられていませんでした。

彼女は、いつも、学校の制服を着ていたので、
自分の私服のことについて深く考えたことはなかったのです。

けれども、大人になってよくよく考えてみると、おかしなことに気づきます。

母親は、ブランドの服をたくさん持っていて、
毎日とてもきれいに着飾っていました。

でも、娘はなにも持っていなかったのです。

色気づいて、このふしだらな娘!

こんなこともありました。

女性が友人と会う約束をしたとき、
友人が小学生の娘を連れてきました。

友人の娘が、とてもおしゃれな服を着て、
ハイヒールを履いているのを見て、とても驚いてしまいます。

友人は、
「私も小学生のとき、ハイヒールを履きたくて、親に買ってもらったのよね。

娘がハイヒールはきたいって言ったとき、
そういえば、私も同じくらいの年頃で買ってもらったなってことを思い出したの。

女の子って、みんな、このくらいのころ、ハイヒールを履きたいって思うでしょ。

そうじゃなかった?」
と聞いてきます。

女性はあいまいに言葉を濁すしかありませんでした。

女性は、親からハイヒールを買ってもらったことはありません。

それどころか、ハイヒールを買ってほしいなんて、言うことはできませんでした。

そんなこと言おうものなら、
「そんなもの、お前には早すぎる。

色気づいて!

なんだろね!このふしだらな子は」
と言われるに決まっていました。

母親の嫉妬

さまざまな友人たちとその家族や、子供たちとやり取りするうち、
女性は自分の母親が、普通の母親とは異なるところがたくさんあることに気づきます。

そして、やがて、
『母親は自分に対して嫉妬していたのかもしれない』
と感じるようになりました。

歳を取っていく一方の母親と、
かたや、大人の女性に成長していく娘。

若さや美しさなど、持っていたものを、つぎつぎと失っていく母親。

自分はもう得ることができないだろうものを、つぎつぎと手にする娘。

未熟な母親がそのように感じて、娘に嫉妬していたとしても不思議ではありません。

子供の時は、母親がそのようなことを感じているかもしれないなんて、思いもしませんでした。

おそらく、母親自身も、自分が嫉妬しているなど、気づいてはいなかったでしょう。

子供の時は、母親の言動はなんだか変な気がするけど、
どこがどう変なのか、はっきりとはわかりませんでした、

わかったところで、変なことを変だと指摘することはできなかったのです。

古い服を捨てられない

女性は、自分が、なかなかものを捨てられず、
色もくすんで、古びたものを身に着けてしまうのは、
もしかすると、母親からの影響かもしれないと考えるようになりました。

「そんな古いものをいつまでも身に着けているということは、
色あせたものが、自分にはふさわしいと言っているようなものですよね。

これって、母親が私に向けたメッセージを
そのまま今でも受け止めているということじゃないでしょうか。

あー、いやだ、いやだ。

ぜったいいや。

これって、母親から脱却していないってことですよね。

初潮を迎えておめでたい時なのに、
娘が初めて身につけるブラジャーなのに、
母親が使い古した下着を娘に与えて、
そのまま数年も着続けるなんて、
こんな悲しいことありますか?

あんなに、母親のことをいやだ、いやだと思っていたのに、
こんな重要なところで、母親を引きずっていて、
自分を大切にできていないなんて、ぜったいいやです」

あたらしい服をなかなか身につけることができないのは、
自分なんて、古いもので十分だと言っているようなものです。

自分を大切にしていないとも言えるでしょう。

自分が好きなものを身につけましょう。

好きなものはなんでも身につけていいと、
自分に許可を与えましょう。

「自分に自信がないのも、
自己肯定感が低いのも、
もしかすると、母親の呪縛から抜け切れていないからじゃないかと思えてきました。

もう、古いものは身に着けない、捨てるって決めます。

今の自分が着たいもの、ふさわしいものだけを身に着けるようにします」

幼い自分に声をかけてあげる

親が着古したものを着て、我慢していたなんて、本当にかわいそうでしたね。

そんな幼い自分に、心の中で、声をかけてあげましょう。

「よく我慢したね。

えらかったね」

幼いころの、そのつらい悲しい場面の自分に、
どんな言葉をかけてあげたいですか。

かけてあげたい言葉はすべて、幼い自分に語りかけてあげましょう。

頭をなでて、
「いい子だね、よく頑張ったね」
とほめてあげてもいいですね。

幼い自分が癒されると、現在の自分も癒されます。

過去の自分も、今の自分も、
そしてさらに未来の自分も、ずっとつながっているのです。

これは、幼少時退行催眠で行っていることなのですが、
催眠状態でないと、できないことではありません。

心の中で、想像してみましょう。

幼い自分のそばに、大人になった自分が寄り添い、
幼い自分の頭をなでたり、ハグしたり、
いっしょに遊んだりしてみるのです。

そうするうち、幼い自分は、にこにこして笑顔になり、元気になっていきます。

幼い自分が元気になると、大人の自分も癒され、
エネルギーを得たように元気になっていきます。

催眠状態でなくとも、心の中で、幼い自分に声をかけてあげるだけでも、
十分効果はあります。

つらい子供のころを思い出したときは、
ぜひ、この方法を思い出して下さい。

心の中で、幼い自分に声をかけるのは難しいという方は、
幼い自分の写真に向かって声をかけてもいいですね。

また、お気に入りのぬいぐるみを、幼い自分の分身として可愛がり、
話しかけるという方法もあります。

関連記事です。
毒親育ちさんは不安を感じやすい
親がこどもに進路を押し付ける
毒親育ちは肩こりさん
毎日死にたいと思っていたこどものころの話

幼少期の性被害に登場する佳子さんの経過は
以下のブログにまとめています。
参考になさってください。
毎日、悪夢を見る
#Me Too
「こうあるべき」を手放す
不安神経症の栄養療法
幼少期の性被害

※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。

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