昨日、何を食べましたか?
ちょっと思い出してみてください。
「朝はパンとコーヒー、
昼は時間がなくてコンビニのサンドイッチ、
夜は飲み会でパスタとピザ」
三食とも小麦製品だった!ということはないでしょうか。
私たちの周りには、小麦粉製品があふれています。
食べたいもの、食べやすいものを選んでいると、1日中、小麦粉製品になってしまいがちです。
小麦粉製品は、注意していただきたい食品のひとつです。
小麦は消化が難しい
小麦粉製品のいったい何がよくないのでしょう。
実は、小麦は消化の難しい食品です。
そのため未消化になった物質が腸管内に入ることになり、これが腸管壁を傷つけます。
すると、通常はしっかり閉じている腸管の細胞と細胞の間が開いてしまうのです。
その隙間から、未消化物質がからだの中に入り込んでアレルギーなどの炎症をおこします。
さらに、未消化物質は脳を守るバリアである「血液脳関門」を通り抜けて脳の中にも入り込み、脳機能を低下させます。
お昼にパスタとパンを食べると、昼食後に眠くなったり、頭がボーっとして働かなくなるという経験をされたことがあるかもしれません。
これは小麦粉製品による血糖上昇による影響もあるのですが、小麦の未消化物質が脳内に入り込み、悪さをしているためでもあるのです。
グルテン
小麦を水とともにこねることで、グルテンがつくられます。
グルテンはモチモチした食感をつくり、生地を膨らませる効果を持ちます。
また食欲を刺激する効果もあるため、パンやスイーツを食べると止まらなくなる経験をされたことがあるかもしれません。
また、グルテンは血糖値を急上昇、急降下させることから、精神的に不安定にさせます。
もっと、怖いこともおこります。
リーキーガット
グルテンは、腸でグリアジンとグルテニンというタンパク質に分解されます。
グリアジンは小腸でゾヌリンを過剰に分泌させ、小腸細胞同士を固く結びつけているタイトジャンクションの結合をほどいてしまいます。
その結果、小腸の細胞と細胞の間にできた隙間から、腸内の食物や細菌が体内に入り込んでしまうのです。
このような状態はリーキーガット(腸漏れ)と呼ばれ、体内で炎症やアレルギーをおこしやすくなります。
パンの中毒性
さらにグリアジンは、未消化ペプチドとなって腸から血液中に入りこみます。
そして、脳に到達すると、脳神経細胞のオピオイド受容体を刺激し、モルヒネ様作用をひきおこすため、脳は興奮し、気持ちは不安定になり、不安感、集中力の低下、眠気、疲労感をおこします。
お昼にパスタとパンを食べると、昼食後に眠くなったり、頭がボーっとして働かなくなるという経験をされたことがあるかもしれません。
これらも、グリアジンによる反応なのです。
さらに中毒性もあるため、パンを食べるとなかなかやめられなくなるのです。
小麦をやめてグルテンフリーを選ぶ
小麦はパンやパスタ、うどん、ラーメンから、餃子、シュウマイ、ホワイトシチュー、グラタンなどさまざまな料理に用いられています。
そのため、小麦粉をまったく使うことなく食事をするのはとても難しいことです。
そこでまず、小麦粉を塊としてとるのをやめることから始めてみましょう。
つまり、パン、パスタ、うどん、ラーメン、お好み焼き、たこ焼きといった食事を避けるということです。
小麦粉製品に気を付けることで、食事内容を吟味する習慣が自然と身につき食事内容はがらりと変わります。
小麦粉を避ける、すなわちグルテンを避ける食事方法はグルテンフリー(GF)と呼ばれています。
私たち日本人は、和食を意識するだけで、簡単にグルテンフリーを実行できます。
パンやパスタ、うどんなどを食べたいときは、グルテンフリーの食品を選ぶとよいでしょう。
米粉のパン、うどん、エンドウ豆のパスタなど、最近はおいしいグルテンフリー製品がたくさん売られています。
いろいろ試して、気に入ったものを見つけてください。
- 関連キーワード: