「牛乳製品を控えてください」と伝えると、驚かれることがとても多いです。
牛乳はカルシウムが豊富で、からだによいとされていますが、実は、問題の多い食品なのです。
乳製品は、小麦粉同様に未消化になりやすく、腸を傷つけ、栄養素吸収低下をもたらします。
不調の方には避けていただきたい食品です。
牛乳製品を控えるべき理由
カゼイン
牛乳を控えていただきたい要因のひとつが、牛乳に含まれるカゼインです。
乳汁中のタンパク質であるカゼインとホエイの含有比率は、母乳と牛乳では大きく異なります。
母乳では4:6とホエイのほうがやや多いのに対し、牛乳は8:2と圧倒的にカゼインが多いのです。
さらに含まれるカゼインの種類も異なります。
人が消化できるカゼインは、主にβ–カゼインですが、牛乳は、人が消化できないα–カゼインを多く含んでいます。
そのため未消化のまま腸に入り、腸粘膜を傷つけ、炎症をおこします。
その結果、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)となり、未消化物質や細菌が体内に侵入し、炎症・アレルギー反応を引きおこすのです。
さらに、α–カゼインは消化できないため、アレルゲンとなり、遅延型アレルギーの原因にもなりえます。
中毒性
2つ目は、神経症状や中毒性をもたらすという点です。
カゼインはカゾモルフィンという未消化ペプチドに分解され、血液脳関門を通過し、脳内に入りこみ、脳神経細胞のオピオイド受容体を刺激して、モルヒネ様作用を引きおこします。
すると脳が興奮し、強い不安感や、聴覚過敏など精神神経症状を誘発し、さらに中毒性もあらわれます。
カルシウム・マグネシウムバランス
3つめは、カルシウムとマグネシウムのバランスの悪さです。
この点は、骨粗鬆症予防のため、牛乳やチーズなどを多くとっている方にとってはショッキングな内容かもしれません。
牛乳は、カルシウム含有量が非常に高く、マグネシウムとのバランスが悪い食品です。
牛乳を飲むと、カルシウム濃度が急激に上昇するため、マグネシウムを調達しようとして、自分の骨を溶解させてしまうのです。
骨粗鬆症予防のためには、むしろ、牛乳や乳製品は避けたほうがいいのです。
牛乳をやめてオーツミルクや豆乳を選ぶ
牛乳を避けるということは、チーズ、ヨーグルト、生クリームや、これらを用いたパン、お菓子などにも注意が必要になります。
このような、乳製品を避ける食事法はカゼインフリー(CF)と呼ばれています。
牛乳を用いる代わりに、オーツミルク、アーモンドミルク、ライスミルク、ココナッツミルク、ココナッツクリーム、豆乳などを利用するとよいでしょう。
山羊のミルクやチーズは、α-カゼインが少ない、母乳と似た成分になので、安心してとることができます。
バターはほとんどの成分が脂質になりますので、使っていただいても問題ありません。
気になる方は、バターを煮詰めた「ギー」を利用するという方法もあります。
またヨーグルトを食べたい方は、豆乳やお米のヨーグルトを用いるとよいでしょう。
今後、ココナッツミルクや豆乳を用いたおやつ簡単レシピも紹介いたします。
ぜひ楽しみにしてください。
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