睡眠中は、ただ、からだを休めているだけではありません。
からだの修復を行うなど、さまざまな働きが行われているおかげで、朝から元気に活動することができるのです。
副腎疲労の方や、疲れやすいかたにとって、睡眠は、治療の一部です。
今回は、疲れやすいかた、副腎疲労の方に睡眠が重要である理由を解説し、よりよい睡眠をとるためのポイントをお話しします。
副腎疲労のメイン治療は睡眠
睡眠中は、からだを休めるだけでなく、
ホルモンバランスを整え、エネルギーを増やし、デトックスを促進するなど、さまざまな働きを行っています。
忘れてはならないもうひとつの重要な働き、それは、からだの修復です。
特に、副腎の修復は、副腎疲労の方にとって重要です。
夜寝ている間に、副腎修復を行っていることを考えると、睡眠がいかに重要か理解できるかと思います。
夜間、からだをじゅうぶんに休めることができると、朝、副腎から十分な量のコルチゾールが分泌されます。
副腎疲労の方や、疲れやすいかたにとって、睡眠は、治療に匹敵するくらい重要なことなのです。
理想は、10時に寝て、6時に起きる
副腎を修復するためには、コルチゾールの日内変動に合わせることが重要です。
コルチゾールは朝8時にピークを迎えます。
ですから、その前には起きている必要があります。
10時に寝て、6時に起きる。
これが理想です。
10時に寝るのが無理なら、夜中の12時前までにおやすみしましょう。
12時前に寝ると、12時までの実際の時間の2倍に換算されると言われています。
つまり、11時に寝ると、12時までの1時間は、2時間分に相当し、
10時に寝ると、12時までの2時間が、4時間分に相当するのです。
10時に寝て、6時に起きると、10時から12時までの2時間は4時間分に相当することになりますから、
実際の睡眠時間は8時間ですが、10時間睡眠に相当することになりますね。
いかに12時前に寝るか、どれだけはやくに休めるかが、疲労回復、副腎回復のカギになります。
夜、リラックスモードに入るための4つのポイント
日が落ちて、暗くなってから3時間ほどでコルチゾールレベルが下がってきます。
コルチゾールレベルが下がると、成長ホルモンとメラトニンが分泌されます。
コルチゾールが下がらないと、成長ホルモンとメラトニンは分泌されません。
つまり、コルチゾールが下がらないと、成長ホルモンがでないので、組織の修復ができないのです。
副腎疲労の方はタンパク異化に傾いているので、夜間のタンパク同化は必須です。
夜寝ている間に、タンパク同化を行いたいのですが、コルチゾールが下がらなければ、タンパク異化が起こってしまいます。
コルチゾールを下げるためには、夜のストレスレベルを下げることが重要になります。
夜のストレスレベルを下げ、リラックスモードに入るための4つのポイントをあげてみました。
寝る前にPC、スマホ、テレビを見ない
寝る1時間前までに、パソコンやスマホをやめ、テレビも見ないようにします。
お休みする直前まで、メールの返信をするなどして仕事をしてしまうと、ストレスレベルを下げることができません。
夜は「何時以降は仕事はしない」と決めることも必要です。
寝る前は、寝室を暗くする
部屋の温度や、湿度などを適切に保ち、居心地のよい睡眠環境を整えます。
寝る前は、寝室を暗くします。
間接照明を使うと、よりリラックスできるでしょう。
できれば、wifiを消してください。
ベッドは寝るための場所です。
お休みする以外の作業をしないようにしましょう。
日中、ベッドで飲食したり、パソコン作業をしたりすると、夜、ベッドに入った時、飲食や仕事モードに入ってしまいます。
カフェインをやめる
カフェインは、夜おそくにとらないようにするだけでなく、日中もできるだけやめるようにしましょう。
毎日、コーヒーを何杯も飲んでいる人は、急にやめると逆に体調を崩しますので、徐々に減らしていってください。
カフェインが含まれているのはコーヒーだけではありません。
エナジードリンクや、紅茶、緑茶、ココア、チョコレートなどにも含まれています。
夜に飲むのはハーブティーがおすすめです。
マグネシウム入浴剤でゆっくりバスタイム
入浴時には、バスタブにエプソムソルトなど、マグネシウムを含んだ入浴剤を用いるのもよいでしょう。
マグネシウムをとると、眠くなることが知られており、優しく睡眠を誘います。
また、副腎疲労のかたは、マグネシウムが低下していることが多いことからもおすすめしています。
マグネシウムは食事からとっても消化吸収されにくいのですが、経皮吸収されやすい特徴を持っています。
マグネシウムは入浴剤のほか、マグネシウムスプレーやクリームなどから摂取する方法もあります。
朝日を浴びる
熟睡するためには、夜のリラックスだけでなく、実は、朝起きた時の習慣も大切です。
毎日、同じ時間に寝て、毎朝、同じ時間に起き、朝起きたら、朝日を浴びましょう。
朝日を浴びると、メラトニンがリセットされ、このリセット刺激をもとに、夜になると自然にメラトニンが分泌されるのです。
副腎疲労の方は、朝、なかなか起きられない方も多いと思います。
その場合は、一度起きて、朝日を浴びてから、二度寝するのは問題ありません。
必要であれば、睡眠時間は長くてもOK
副腎疲労の方は、睡眠時間を長めにとっていただいてもかまいません。
睡眠を十分とることができると、そこから副腎の修復が始まります。
睡眠だけでなく、日中の瞑想もおすすめです。
瞑想を日課としているかたは、瞑想中に副腎の修復がおこなわれることもあるようです。
まとめ
副腎疲労の方や、疲れやすい方にとって、睡眠は治療の要です。
できるだけ12時前までにおやすみするようにしましょう。
理想は、10時に寝て、6時に起きることです。
毎日、夜、同じ時間に就寝し、朝、同じ時間に起きて、朝日を浴びましょう。
夜は、ストレスレベルを下げ、リラックスできる環境を整えます。
寝る前にPC、スマートフォンを見ないこと、夜遅くまで仕事をしないことも重要です。
睡眠を十分とることで、副腎の修復が始まります。
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