「自分の症状に、CBDオイルは効果があるでしょうか?」
このような、CBDオイルの適応について、たくさんのお問い合わせをいただいています。
そこで今回は、クリニック千里の森で、CBDオイルを用いた症例をまとめました。
CBDオイルがよく用いられているのは、「不眠、不安、うつ」です。
そのほか、「痛み、発達障害、認知症」などに使用した例をご紹介いたします。
不眠
「まったく眠れません!」
という方が相談に見えたことがあります。
CBDオイルを紹介したところ、
「今まで、何を試してもぜんぜん眠れなかったんだけれども、始めて眠ることができた」
と言われました。
ここまでひどくなくても、
「眠剤をやめたいんだけれども、薬を飲まないと眠れない…」
と悩んでおられる方は多いと思います。
そのような方に試していただいたところ、
「熟睡できました」
「朝の目覚めがスッキリする」
という感想をいただいています。
また、問題なく眠れるという方でも、CBDオイルをとると「熟睡できる」という感想をいただきます。
CBDオイルは、睡眠の質を上げてくれるように感じています。
睡眠に関する悩みをお持ちの方は試していただくといいかもしれません。
CBDオイル摂取時の注意点
CBDオイルを摂ると、ほとんどの方がよく眠れるようになるのですが、中には、寝る前にとると、逆に目が覚めてしまう人もいます。
そういう方は、寝る前ではなくて、午後や夕方にとったほうがいいでしょう。
実は、私もCBDオイルを寝る前にとって、眠れなくなった経験があります。
それで、夕方に取っていたのですが、そのうちやめてしまいました。
しばらくして再開した際、寝る前にとってみたところ、熟睡できることがわかり、今では、寝る前のCBDオイルは欠かせなくなっています。
CBDオイルの適切な量やタイミングは人それぞれです。
少量から始めて、少しずつ増量し、ご自分にとって一番よい量とタイミングを見つけていただくことが重要です。
薬との併用に注意
CBDオイルを使うとき、気を付けていただきたいのは、薬との併用です。
以前、このような質問をいただいたことがあります。
「精神科の処方薬を服用しているのですが、
CBDオイルを使い始めたら、すごく眠くなって、
酔っぱらったみたいになって、怖くなったんですけど、
一緒に飲んだらダメですか?」
この方は、ご自身でCBDオイルを購入し、主治医に尋ねることなく使用しているということでした。
お薬とCBDオイルを併用するときは、注意が必要です。
CBDオイルと、多くのお薬は、同じCYP450によって代謝されます。
そのため、CBDオイルとお薬を一緒に取ると、薬の代謝が遅れてしまい、
血中濃度が上昇したり、薬の作用時間が伸びるなどして、
薬の作用が強く表れたり、副作用がでやすい、ということがあります。
CBDオイルをとるときは、処方薬の服用とは時間をずらすなど、工夫が必要です。
不安、パニック障害
49歳、女性です。
35歳の時、深夜に、急に激しい動悸がして、苦しくて、母親に「救急車を呼んで」と頼みました。
ところが、
「近所の手前もあるし、あんた嫁入り前なのに、そんなん呼ばれへんわ」
と断られてしまいます。
しばらくしても動悸が収まらないため、自分で車を運転して救急病院を受診しました。
そんなことがあって以来、車を運転しようとすると、動悸がして、怖くて運転できなくなりました。
バスに乗るのも怖くなってしまい、そのうち、家から一歩も出られなくなりました。
心療内科でパニック障害と診断され、ずっと通院しているけれども、よくならないというご相談です。
栄養療法を始め、さらに、ご本人の希望もあってCBDオイルも始めました。
1か月後、
CBDオイルを使い始めること自体にドキドキしてしまって、効果あるのかどうかよくわかなかったそうですが、
「なんとなく、落ち着いて過ごせている気がする」
といって、使い続けておられました。
使い始めて4ヶ月後、
「以前から、夕食前後にそわそわして、気持ちが落ち着かない状態になっていたので、
その時間帯にCBDオイルをとるようにしたら、気持ちが落ち着くようになった」
と言われます。
最近になって、効果に気付くようになったそうです。
CBDオイルを始めてすぐに明確な効果を感じる人もいれば、
効果があるのかないのか、なんだかよくわからないという方もいらっしゃいます。
この方のように、数か月後に、CBDオイルの効果を明確に感じる方もいらっしゃいますので、しばらく使い続けていただくのもいいかもしれません。
また、CBDオイルを摂るタイミングも、起床時と寝る前が基本ですが、
人それぞれ、一番良いタイミングを探して摂っていただくことをお勧めしています。
パニック障害、足腰の痛み
66歳の女性の方です。
ご自宅で、陶芸教室をされています。
ある時、先生たちの集まりで、意見の食い違いがあり、関係性が悪くなってしまいました。
他の先生から暴言を吐かれたり、いじわるされるようになって、そしたらだんだん、人に会うのが怖くなってしまいました。
教室もこわくなって、できなくなってしまいます。
そのうち、外出もできなくなり、買い物にも出かけられません。
外に出られないので、一日中、家に一人でいるのですが、それもまた怖くて不安でたまりません。
何かあったらどうしようと思うと、急にドキドキして、息ができなくなります。
そこに、コロナ感染症拡大が起こります。
毎日、「感染者が増えた!」というテレビ報道を見て、ますます不安になり、今度は、腰に激痛が走るようになりました。
そのうえ、足にしびれも起こるようになって、起き上がるのもつらく、家の中の仕事すらできなくなってしまいました。
足腰が痛くて眠れません。
食欲も低下して、体重は半年で10キロ減ってしまいました。
一歩も家から出られないけど、病院はいやだし、薬も怖いというので、クリニックに来院されました。
栄養療法を紹介し、バッチフラワーレメディを選びます。
さらに、CBDオイルを使っていただき、足腰の痛みやしびれには、CBDクリームを勧めました。
すると、1か月後の再診で、
「不安や恐怖感がなくなりました!」
「痛みもましになって、外出できるようになった。
孫にも会いに行けるし、行動範囲が広がりました」
「CBDクリームを塗ると、足の痛みが軽くなります」と喜んでおられました。
CBDオイルは心と体をリラックスさせ、不安感を和らげます。
また、強力な抗炎症作用があり、慢性の痛みを軽減します。
特に、CBDクリームは痛みに対してかなり効果を感じています。
その3か月後です。
「痛みはすっかりなくなって、毎日、体操できるようになりました」
すると、だいじょうぶだろうか?って不安になることがあるので、
そういうときに、CBDオイルをとると、不安がなくなります」
以前は、CBDオイルを毎日、朝と寝る前にとっておられたのですが、不安な時に取るという方法に変わっています。
抑うつ気分
42歳女性の方です。
「仕事が忙しくなると、焦って、空回りしてしまう自分がつらい」
「自分はほかの人に比べて劣っている気がして気になる」と言われます。
CBDオイルを始めたところ、
「気持ちが軽くなって、前向きになれます」
「以前は、朝起きたとき、どよーんとして、気持ちが落ち込んでいたんだけれども、CBDオイルを始めてから、朝起きたときの気持ちの落ち込みがなくなりました」
「仕事が忙しい時も、落ち着いて取り組むことができるようになった」
「集中力が途切れることなく、集中しやすくなった」
「記憶力が向上したような気がする」
と言われます。
朝の落ち込みがなくなって、気分が変わったというのは重要な変化です。
集中力、記憶力が向上するというのは、ビジネスパーソンにはうれしい変化です。
骨折の痛み
63歳の女性です。
CBDオイルを試したいと来院されました。
その後しばらくして、
「疲労骨折の痛みと、喉と耳の痛みにびっくりするほど効いた」
という感想をいただきました。
「肋骨の疲労骨折があり、深呼吸、寝返り、腕を動かすなど、少し動くだけで痛かったのですが、オイルを舌下したら痛みが軽くなりました。
数年前も疲労骨折したのですが、その時よりも今回は確実に回復が早くてびっくりしました。
喉が痛いのを放置していたら、左耳まで痛くなったので、あわててCBDオイルをとったところ、左耳の痛みも、喉の酷い痛みも軽くなり、次の日には痛みがなくなっていました。
痛みに対する即効性に、本当に驚きました」
ウイルス感染後の背中の痛み
57歳男性です。
コロナに感染した後、背中の痛みが続いていると言われます。
何をしても痛みがひかなくて困っているということなので、CBDクリームを勧めたところ、
「背中の痛みが無くなった」
と喜んでおられました。
発達障害
20歳の女性です。
幼少時から発達障害で、かかりつけ医にずっと通院されているのですが、薬を続けても、全くよくなっている気配がないということで相談に見えました。
急にパニックになって、大声を出し、家族の髪を引っ張ったり、たたいたりするところに、特に、困っていると言われます。
血液検査結果を見ますと、たんぱく質、ビタミン、ミネラル不足のほか、低血糖も認められました。
作業所では、大声を出して暴れると、スタッフが甘いお菓子を食べさせるという習慣があるようです。
お菓子を食べると、興奮が収まるそうですが、これは、血糖値の乱高下を繰り返すことになります。
さらなる感情の乱れを引き起こしやすいので、できれば、お菓子をやめて、
おなかがすく前に、ちいさなおにぎりとか、甘栗などをとるよう協力していただくことになりました。
さらに、CBDオイルを始めたところ、3か月で攻撃的なところが収まったそうです。
あったとしても、以前のように長時間にわたって大声を出すということはなくなりました。
さらに、笑顔が増えて穏やかになったと言われます。
感情の浮き沈みが激しかったのが、安定することが多くなったため、主治医の先生と相談して、薬を減量したところ、どんどん減量できて、薬がひとつだけになったそうです。
認知症
68歳の男性、 会社経営されています。
最近、物忘れがひどくて、娘さんが心配して診察を希望されました。
少し前の話も覚えていないので、大切なことは娘さんがメモして、壁などに貼るようにしているそうで、家じゅうがポストイットだらけになってしまいました。
それでも、重要な面会を忘れてしまうなど、仕事にも支障が出ています。
お食事を聞いてみますと、一人暮らしで、料理はできないということで、
朝はパンと牛乳、昼はラーメン、夜はとんかつです。
「パンと麺類と揚げ物が大好物なんです」
と笑顔で答えていただいたのですが、
これは、認知症には最悪のお食事です。
お食事を変えると、ずいぶん変わりますので、まずお食事を変えてみましょう。
小麦粉製品をやめましょう。
パン、ラーメン、うどんをやめます。
揚げ物も毎日食べるのはよくありませんので、焼いたり、蒸したりする料理にかえていただくようお願いしました。
そして、娘さんのご希望もあり、CBDオイルも使っていただきました。
すると、一か月後に、びっくりするぐらい物忘れが減って、家族全員が喜んでいると言われます。
ご本人も、「頭がはっきりしてきたようだ」とおっしゃっておられました。
まとめ
CBDオイルの使用症例をまとめました。
不眠、不安、うつ、パニック障害のほか、痛み、発達障害、認知症など様々な症状に用いられています。
当院で取り扱っているCBDオイルは、医療機関専用です。
CBDオイルをご希望の方は、診察を受けていただいておりますことをご了承ください。
※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。
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関連トピックス
CBDオイル使用前に知っておきたい6つのこと
CBDオイルの効果を最大限に生かすため、知っておきたい6つの点をまとめました。適量の見つけ方、使用方法から、お薬の飲み合わせ、CBDオイルの選び方にいたるまで、CBDオイルの解説を加えながら、説明しています。
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CBDオイルの適応疾患は多岐にわたります。よく用いられる不眠、不安、うつのほか、疼痛、てんかん、がん、片頭痛があげられます。そのほか、関節炎、多発性硬化症、皮膚疾患、自閉症スペクトラム、潰瘍性大腸炎、クローン病、自己免疫疾患などさまざまな疾患に用いられています。
CBDオイルのことがもっとよくわかる大麻の話
ひとは体内で、カンナビノイドを合成分解するエンドカンナビノイドシステム(ECS)を持っています。ECSは病気や老化を防ぐなど、体内で重要な働きを担っています。今回は、毎日の生活に取り入れられる、ECSを高める四つの習慣を紹介します。
CBDオイル
CBDオイルは、大麻草の茎と種から抽出されるCBD(カンナビジオール)を主としたヘンプオイルです。癌、てんかん、認知症、自閉症、うつ病、炎症性腸疾患、疼痛、自己免疫疾患などのさまざまな疾患から、原因不明の症状に対して幅広く用いられています。今回はCBDオイルについて、作用機序も含めて解説します。
関連症例紹介
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