大阪・吹田市の薬に頼らない心療内科ならクリニック千里の森

06-6155-7238

完全予約制 月曜・水曜・金曜(14-17時)祝日休

栄養療法の目的はブラック企業を生き抜くためではありません。

「いつも横になりたいと思ってしまって、こんな自分は怠け者ですね」

そう言って、自分を責めている50歳の女性が、相談に見えました。

栄養療法を始めたところ、体調は改善し、気持ちも安定し、パートをやめて起業を考えるまでに変化されたのです。

 

女性のお話しから、皆さんにも知っていていただきたい、栄養療法のゴールについても解説いたします。

 

栄養療法の目的とは何か、今一度、確認していただけるとうれしいです。

 

「すぐに横になりたいと思ってしまう」

50歳のパート勤務の女性です。

 

この数年調子が悪いと来院されました。

「常に横になりたいと思ってしまって、なんて怠け者なんだろうかって思います。

それに、しょっちゅう、立ちくらみがあるのも気になっています」

 

「職場では、まわりが普通にできていることでも、私はできていないと感じ、なんだか楽しくありません」

 

「自分はだめな人だ」と感じるようになったと言います。

 

「パートしていなかったときは、何も仕事をしていない自分はだめな存在だと思っていました。

仕事を始めたら、今度は緊張してしまい、何か尋ねられても即答できません。

 

仕事も、自分のやりかたで、ていねいに進めたいけれども、職場ではそのような仕事の仕方は求められていないみたいで、必要とされていないような気がしてしまいます」

 

血液検査結果をみてみよう

鉄欠乏

持ってきていただいた、検診の結果を見ますと、Hb13から11と年々低下しています。

MCVも年々低下しています。3年前の80は明らかに低いですが、今は75ともっと下がっています。

年々低下するということは、からだのどこかで少量ずつ出血するような病気があって、毎日、少しずつ鉄が失われている可能性が高いです。

もしくは、婦人科系の病気があり、生理出血が多いためかもしれません。

 

消化器内科を受診して、胃カメラや、便潜血、大腸検査をして、胃腸の検査をしていただくこと、また、婦人科受診をして、子宮卵巣の病気がないかどうかを調べていただくようにお勧めしました。

 

白血球分画では、リンパ球と比べて好中球の割合が非常に高く、緊張している、もしくは、ストレス下にあるように感じられます。

 

低血糖

次に注意したいのは、中性脂肪が60を切っているということです。

これは、低血糖になっているということを示しています。

 

エネルギーを作るためには血糖が必要です。

低血糖だと、エネルギーを作れないので、疲れていたり、頭が働かないと感じているかもしれません。

 

筋肉を動かすには、エネルギーが必要ですから、低血糖だと筋肉を動かせない、立っていられなくて、横になっていたいと感じるでしょう。

 

頭を使うのにも、気持ちを安定させるのにもエネルギーが必要です。

そのため、低血糖だと考えがまとまらない感じがしてしまうのです。

感情面も不安定になるので、「自分はダメだ」って感じたり、イライラしたり、ウツっぽくなったりします。

 

 

ビタミンB群不足

さらに、肝機能のASTALTを見るとビタミンB群不足が考えられます。

 

鉄欠乏、ビタミンB群不足があると、「エネルギー不足、感情が不安定」になりやすいです。

 

エネルギーを作るには、鉄とビタミンB群が必須なんですね。

それに、神経伝達物質を作るときにも、鉄とビタミンB群が必要です。

 

「いつも横になっていたい」って感じるのも、気持ちが落ち込みやすいのも、鉄とビタミンB群不足そして低血糖が原因になっているって考えられます。

 

低血糖に対しては、まず、三食を摂っていただくことと、食事と食事の間に補食を摂っていただくことを勧めました。

また、希望もあってサプリメントを始めることになりました。

 

「いつも横になっていたいって、自分が怠けもののように感じていたので、自分が悪いわけじゃない、病気のためだったんだってわかって、とても気持ちが楽になりました」

 

もっと詳しい検査をしたいと希望され、栄養療法のための詳細な血液検査を行いました。

 

婦人科、内科を受診してきた

1か月後です。

 

「婦人科を受診したら、腺筋症と言われ、治療を始めました。

また、内科で検査しましたが異常はありませんでした」

 

「先生に食事や補食を教えてもらって、続けています。

以前はすぐに横になっていたんですが、そういうことはなくなりました。

なんだか、体が楽になってきたような気がします」

 

「前回の診察で先生から、ストレスかかっているのでは?って言われて、それはおそらく仕事のことだなって思って、もう仕事をやめてもいいかもって思ったら気が楽になりました」

 

2か月後です。

「以前はよくスナックを食べていたのですが、すっかりやめて、補食のおにぎりを摂るようになって、体調が変わったと思います。

小麦や牛乳、コーヒーもやめました。

食事をちゃんととって、サプリメントを続けていたら、体調が明らかに変わってきたって感じています」

栄養療法の目的は、ブラック企業を生き抜くためではない

半年後です。

「検診があって、数値がよくなっていたんです。

こちらでも詳細な検査をして、よくなったかどうか確認したいと思って来ました」

 

「職場の雰囲気がさらに悪くなっていて、本当にいつやめようかって思っていたんですけど、

以前なら、ここでとても体調が悪くなっていたのに、

今は、栄養に気を付けているから、元気なんです。

それで、職場は嫌だけど、こんなブラックな職場でもなんとかやっていけそうだなと思っています」

 

この考え方はとても危険です。

 

栄養療法を始めて元気になってよかった、

ブラック企業でも、なんとかやっていけそうでよかったって…、

そんなことのために、栄養療法するんじゃないんですよ!

パワハラを生き抜くためでもないです。

 

本当にやりたいことをしていただくためなんですね。

 

元気になって、自分が本当に好きなこと、やりたいことをしていただくためにお伝えしています。

 

栄養療法は、本当にやりたいことをするためのものなんです。

 

ブラック企業でも仕事できるくらいに元気になったといって、同じ職場で仕事を続けていると、遅かれ早かれ再び体調不良に陥ります。

次回は初回よりももっと回復が難しくなります。

 

栄養療法で元気になって、頭もしっかり働くようになったら、今の環境でいいのか、離れるべきか、判断できるようになります。

さらには、自分に適切な環境とはどんなところなのかも明確になります。

そして、自分にとってよりよい環境に動くことができるようになっているのです。

栄養療法は、この自分にとってよりよい環境を選び、その環境に移動するだけの体力、気力を作り出すのを助けてくれるのです。

 

他人のためにより一層頑張れる自分になるのではなく、

自分のために治療しているってこと、忘れないようにしましょう。

本当は起業したいって思ってる

「私、先生のその言葉を聞きたくて、今日来たんだってわかりました。

 

先生、私、実は、やりたいことがあって、でもどうやってやったらいいのかわからなくて、逃げていたんです。

 

でも、先生の言葉を聞いて、これはやってみようって決心しました。

こんな変な職場でくすぶっている場合ではなかったですね」

 

低血糖が解消され、ビタミン、ミネラルが充足してくると、人ってこんなに意識が変わるんです。

 

以前は、「自分ってだめだ、価値がない」って自分で自分を責めていましたよね。

 

でも、食事や栄養に気を付けていると、1年もたたないうちに、自分で仕事を始めようっていう気持ちと体に変わるのです。

 

「こんな自分はダメだ」って感じている方がいらっしゃったら、ぜひ一度、栄養状態を専門の方に診ていただくといいかもしれません。

 

自分がダメなんじゃなくて、ただ、ビタミン、ミネラルが足りないだけ、低血糖なためかもしれませんよ。

 

それなら、栄養対策を始めればいいだけ。

あなたのこれからの人生、大きく変わっていくかもしれません。

 

 

 

※ご本人の了解をいただき、掲載させていただいています。
趣旨をゆがめない程度に、年齢や性別などの背景を変えたり、
他の患者さんを組み合わせるなどして、実際の症例に変更を加えています。
また、理解しやすいよう、内容を単純にし、処方内容も一部に限定していることをご了承ください。

関連トピックス

コラム

できないのはあなたのせいではなく、低血糖のため

たいせつなことを忘れてしまう。期限を守れない。勘違いしてしまう。それは、低血糖のためかもしれません。自分のせいだ、自分はダメだと責めないでください。低血糖かどうかは血液検査結果でわかります。会社の健診、健康診断などの血液検査結果をお持ちになって、ご相談ください。

コラム

疲れやすいひとが知っておきたい低血糖の話

低血糖に陥ると人は強い疲労感を感じます。「朝、起きるのがつらい」のも「パニック障害」も低血糖が関係しています。今回は、低血糖について解説し、低血糖になると疲労感など様々な症状がみられる理由について説明します。さらに低血糖に陥りやすい人が、日常生活で気を付けたいポイントについても知ることができます。

関連症例紹介

父が娘の入浴を覗きに来る「お風呂がこわい」

体がつらい、不安、うつ症状の女性が来院され、血液検査結果から栄養素不足がみられるため栄養療法を始めました。体調不良は幼少期から続いており、幼少時のつらい体験と関連がありそうです。診察の途中で行った簡略版の幼少時退行催眠について、感想や経過をあわせて紹介いたします。

学校に行きたいけど、行けない

2年間不登校という中学生男子のご相談です。異様にやせた体型と体重減少から栄養状態の不良が疑われました。成長期に入り多くの栄養素が必要な時期にも関わらず、食事を十分とっていなかったことが原因と考えられました。血液検査結果から栄養解析を行い、食事を改善するなど栄養療法を始めたところ1ヶ月で登校できるようになりました。

栄養療法とCBDオイルによる発達障害治療薬の減薬

幼少期に、知的障害をともなう発達障害と診断され、服薬治療通院中の女性のご相談です。CBDオイルなど、薬以外の治療法を希望して来院されました。CBDオイルのほか、バッチフラワーレスキュースプレーやホメオパシー、栄養療法を行ったところ、症状の軽快が見られ、減薬を始めたと言われましたので、その経過をご紹介します。

夜間頻尿、早朝覚醒は夜間低血糖が原因かもしれません

結婚の翌月にパニック障害を発症し、投薬治療で一時軽快したものの、5年経っても薬をやめることができません。さらに早朝覚醒と夜間頻尿が出現し悪化するため来院されました。コロナ感染に対する強い不安の裏には、ご主人の言動や毒親の影響が見え隠れします。さらに低血糖も原因と考えられ低血糖対策としての補食を勧めました。

キッチンドリンカーは低血糖が原因かもしれません

物忘れがひどく頭が働かない感じがするという方から、キッチンドリンカーでアルコール依存ではないかとの相談を受けました。血液検査結果からは低血糖が認められ、さまざまな症状も低血糖が原因ではないかと考えられました。今回は、低血糖に陥る原因と、低血糖が引き起こすさまざまな症状、さらに日常でできる低血糖対策について解説します。

中学生の発達障害に行う栄養療法

中学入学後、体がだるくてたまらず、食欲も低下し、朝起きられなくなったという女の子が来院されました。もともと小食、偏食があったうえに、成長期に入り、栄養素の不足に拍車がかかり、体調不良を引き起こしたものと考えられます。血液検査結果を解析しながら、必要な栄養素や、食事の際の注意点などについて説明します。

クリニック情報

「クリニック千里の森」は、栄養療法・バッチフラワーレメディ・ホメオパシー・催眠療法を用いた、補完代替医療・統合医療の心療内科クリニックです。完全予約制、自由診療となります。

完全予約制 月曜・水曜・金曜(14-17時)祝日休

※電話受付時間:平日 9:00〜18:00

住所
〒565-0874 大阪府吹田市古江台2-10-17
グリーンプラザ千里古江台303号室
最寄り駅
阪急電鉄「北千里」駅徒歩8分

Google Mapで見る