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CBDオイルが用いられるさまざまな症状

コラム

前回、エンドカンナビノイドシステムが、
痛み、免疫、感情制御、認知、記憶、神経保護、運動機能、発達、老化と、
体全体の機能にかかわり、バランスを調整していることをお話ししました。

今回は、カンナビノイドがどのように作用するのかについてと、
カンナビノイドが用いられるさまざまな適応疾患について解説します。

全身に分布するカンナビノイド受容体

カンナビノイドは、カンナビノイド受容体に結合することで、
さまざまな働きをしています。

カンナビノイド受容体にはCB1とCB2のふたつの種類があり、

CB1受容体は主に神経細胞上に認められ、脳に最も多く存在しています。
そのほか、精巣、子宮、肺、小腸、血管壁に認められます。

CB2受容体は免疫細胞上に多く、
脾臓、扁桃腺、リンパ節のほか、
白血球、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞などの免疫担当細胞に認められます。

多くの器官にCB1CB2がともに存在し、
それぞれ違った作用を起こします。

たとえば脳内でCB1が活性化されると、
痛みや不安を緩和し、感情を安定させますし、

脳のCB2受容体が活性化された場合は、
抗炎症作用が生じます。

カンナビノイド受容体が全身に分布することで、
体全体の調整が可能となるわけですが、
CBDの作用も体全体におよぶため、適応疾患もじつにさまざまです。

多様な適応疾患

カンナビノイドが有効な病態は多岐にわたります。

よく用いられるのは、不眠、不安、うつ症状と痛みです。

不眠

カンナビノイドが睡眠を助けるということは
何百年も前から知られていました。

その理由が科学的に証明されたのは最近のことです。

カンナビノイドシステムは、睡眠に直接、影響することがわかっています。

不安、うつ症状

カンナビノイドは抗不安作用と鎮静作用を持ち、
神経細胞の新生を促します。

このような、カンナビノイドの持つ、神経保護作用や抗炎症作用は、
アルツハイマー病や認知症、パーキンソン病をはじめ、
さまざまな神経性疾患に対しても有効性を発揮します。

疼痛

古くから、カンナビノイドには鎮痛効果のあることが知られていました。

特に、慢性の痛みに効果がみられます。

これは、カンナビノイドの強力な抗炎症作用によるもので、
神経の圧迫や損傷による疼痛に対しても効果を発揮します。

次のような疾患の痛みに対して用いられています。

関節炎
多発性硬化症
線維筋痛症
片頭痛
がん

てんかんなどの発作性疾患

カンナビノイドのひとつ、カンナビジオール(CBD)が有名になったきっかけは、
難治性の小児てんかんでした。

難治性てんかんの少女がCBDオイルを使用し、
それまで一日100回も頻発していた発作が、一日一回に激減したのです。

その様子は2013年にCNNで放送され、全米の注目を集めました。

CBDは抗てんかん薬との薬物相互作用が起こる可能性があります。
使用前には、必ず、医師に相談してください。

がん

免疫力が低下すると、感染症にかかりやすく、がん細胞の増殖につながります。

一方、自分の体を異物と認識し、攻撃すると自己免疫疾患を引き起こします。
(次の自己免疫疾患の項目を参照してください)

免疫システムはバランスが重要なのです。

このバランスを担うのが、エンドカンナビノイドシステムです。

カンナビノイドはナチュラルキラー細胞の細胞障害活性を高め、免疫力の強化に働きます。

また、腫瘍の縮小や、転移を阻害する作用を示し、
抗腫瘍効果を持つこともわかっています。

カンナビノイドを用いた症例で、生存期間の延長が認められていますし、
抗がん剤治療と併用することで、相乗効果のあることも報告されています。

ただし、カンナビノイドのみでがんを消滅させることはむずかしいでしょう。

がんの治療に伴う、
悪心、嘔吐、食欲不振、疼痛、不眠に対しても有効なことがわかっています。

自己免疫疾患

ひとは、有害な細菌や病気から身を守る免疫機能を持っています。

ところが、自分の体を異物とみなし、自分の体を攻撃することがあり、
この病態が自己免疫疾患を引き起こします。

自己免疫疾患とは、
慢性関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
皮膚筋炎
シェーグレン症候群
多発性硬化症
一型糖尿病
橋本病
バセドウ病
などがあげられます。

CBDは過剰な免疫反応を抑えて、免疫反応を調整し、
炎症性サイトカインの産生を抑制します。

上記の疾患の中でも、多発性硬化症に対するCBDの臨床報告例は多く、
一定の効果があると考えられています。

ただし、治療薬とCBDオイルとの間に、
薬物相互作用が起こる可能性がありますので、
使用前には、必ず、医師に相談してください。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患とは、潰瘍性大腸炎、クローン病のことを指します。

腸管にはカンナビノイド受容体が多く存在し、
疼痛、炎症、下痢の軽減をもたらします。

その他のさまざまな適応疾患

片頭痛

皮膚疾患

自閉症スペクトラム

参考文献:
カンナビノイドの科学 日本臨床カンナビノイド学会 築地書房
CBD
のすべて アイリーン・コニェツニー ローレン・ウィルソン 晶文社

※関連記事です。
CBDオイル
エンドカンナビノイドシステムを高める4つの習慣
CBDオイル服用前に知っておきたい6つのこと
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コラム

CBDオイル

CBDオイルは、大麻草の茎と種から抽出されるCBD(カンナビジオール)を主としたヘンプオイルです。癌、てんかん、認知症、自閉症、うつ病、炎症性腸疾患、疼痛、自己免疫疾患などのさまざまな疾患から、原因不明の症状に対して幅広く用いられています。今回はCBDオイルについて、作用機序も含めて解説します。

関連症例紹介

CBDオイルを用いた症例

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父の認知症を改善したい

父親の認知機能低下をなんとかしたいと娘とともに来院されました。認知機能向上のためには食事、睡眠、運動など生活習慣の改善がとても大切です。そのほかCBDオイルなどサプリメントも始めることになりました。家族みんなで協力しあった結果、三ヶ月後には症状軽快を感じられ、さらに続けたいと再診に来院されました。

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