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CBDオイルのことがもっとよくわかる大麻の話

コラム

前回CBDオイルについて紹介しました。

CBDオイルについてはじめて聞いた方の中には、
なんだか実態がよくつかめないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

大麻というと違法薬物のイメージですし、抵抗感もありますよね。

その一方で、世界では、大麻を用いた治療研究が進められ、
医療用大麻解禁の動きも見られます。

今回は、大麻草について知っていただき、
さらに私たちの体の中での、カンナビノイドの働きについて解説します。

大麻草って、抵抗感しかない

「大麻草から作られるCBD
と聞いて、抵抗感を感じる方は多いかもしれません。

私も初めて聞いたときは、抵抗感しかありませんでした。

大麻って、ダメでしょ…。

それに、法律とか、その他、さまざまな規制を考慮しなくてはならない、
厄介なものなんじゃないの?
そういうたぐいのものからは、できるだけ避けたいよね、
というのが正直なところでした。

けれども、CBDオイルの効果や、大麻の歴史的な変遷を知るにつれ、
どうして大麻は悪になってしまったのか、
もっと多くのことを知りたい、という気持ちに変わりました。

古来、大麻草は身近な植物でした

麻、大麻、大麻草、ヘンプ、マリファナ…、すべて同じ植物のことです。

大麻は、有史以来、世界中の人々の暮らしのなかで、様々な用途に使われてきました。

大麻草の草や柄から採れる繊維は、衣服や縄、建材に用いられ、
葉、花穂は生薬に、
種子は食物として必須脂肪酸やたんぱく質を提供してきたのです。

ところが、近年になって、法律で厳しく規制されるようになりました。

さらに、最近では、合法化に踏み切る国や地域がでてくるなど、
様相は複雑化しています。

日本では、麻薬撲滅キャンペーンの広まりにより、
覚せい剤や麻薬と同列とみなされ、ほぼ悪のイメージです。

しかし、日本の歴史をさかのぼると、古来から神事で用いられ重要な役目を果たしてきました。
麻は清めと祈祷の象徴として拝み奉られていたのです。

また戦前は、日本のいたるところで、大麻草が植生していたとも言われており、
大麻が身近にある環境のなかで、人々は生活していました。

また、漢方薬としても用いられており、
「麻子仁」として多用される種子のほかにも、
根、茎、葉、花穂と、捨てるところなく全草が薬となります。

このように見ていくと、大麻草のイメージは、
ずいぶん変化してしまったことがわかります。

私たちの体の中でも、カンナビノイドは働いています

大麻草は100種類以上の薬効成分を含んでおり、
それらを総称してカンナビノイドと呼んでいます。

ひとには、大麻草由来のカンナビノイドを利用したり、
分解したりするシステムが備わっています。

実はそれだけではありません。

ひとは体内で、カンナビノイドを合成、分解しているのです。

これらのシステムを、「エンドカンナビノイド システム」と呼びます。

このエンドカンナビノイド システム(ECS)は、以下のような、
ひとの体のあらゆる面をコントロールしています。

睡眠
食欲、消化機能
気分
運動制御
免疫機能
痛み
炎症
神経細胞の成長

ひとの体はさまざまなバランスを自動で調整しています。
エンドカンナビノイドシステムは、このバランスを整える作業を行っているのです。

ところが、老化や、栄養素の不足、重金属の蓄積などにより、
エンドカンナビノイド システム(ECS)の働きが低下すると、
体内のコントロールがうまく働かなくなり、不調を感じるようになります。

そこで、大麻草由来のカンナビノイドを摂取することで、
体内のECSを助けるのです。

生まれつきエンドカンナビノイドが不足していたり、
老化やストレスで低下している方に、CBDを用いることで、
その人本来のバランスを取り戻すことができるのではないかと考えられています。

その作用機序はまだはっきりわかっていないことが多いのですが、
体内で作られたエンドカンナビノイドを分解する酵素の働きを弱めることがわかっています。

エンドカンナビノイド システムを高める4つの習慣

外から大麻草由来のカンナビノイドを摂取する方法以外にも、
エンドカンナビノイド システム(ECS)をサポートする方法があります。

毎日の生活の中でできる、4つのポイントをまとめました。

食べ物に気を付ける

野菜、豆、玉ねぎ、キノコ類、ベリー類、種子類を多く摂りましょう。

カンナビノイドシステムのためだけでなく、体にとっても積極的にとりたい食べ物です。

運動習慣を持つ

中程度以上の運動を行うことで、体内のエンドカンナビノイドの量は増加します。

体重をコントロールする

体重のコントロールは、高血圧をはじめとする生活習慣病予防の際でも重要なポイントです。

ヨガ、瞑想、呼吸法

ストレスはエンドカンナビノイド システム(ECS)を消耗させます。

ストレスを避け、これらを上手に解消することは非常に重要です。

ヨガや瞑想、呼吸法はストレス管理の目的だけでなく、
心身の健康のためにもお勧めしたい習慣です。

次回は、カンナビノイドがどのような疾患に、
どのような効果があるのかについて解説します。

参考文献:
カンナビノイドの科学 日本臨床カンナビノイド学会 築地書房
CBDのすべて アイリーン・コニェツニー ローレン・ウィルソン 晶文社

※関連記事です。
CBDオイル
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